食事とは、もともと食べられないものを食べられる状態にして口に入れることなので

ユッケによる食中毒の死者が4人になったというニュースが入りました。食肉処理の段階での過失なら、一チェーン店だけに収まらず、拡大していくはず。原因食品、原因施設等については、現在調査中ですので、個人としては、これ以上、犠牲者の数字が上がらないことを祈るだけなのですが、ちょっと「食事」ということに関して思うことがあるので、基本的な知識を基に書きとめることにしました。

食中毒予防の三原則は「つけない、増やさない、殺菌」。「つけない」は食中毒原因物質を食材、加工中食品、そして最終食品につけないということ。家庭でも、まな板を魚、肉、野菜で使い分けたりするし、未加工の食材と加工済みの食品とを直接的・間接的に接触させないようにするのは、これにあたります。次に「増やさない」というのは、食中毒原因物質を増殖させないということ。食材、加工中食品、最終食品は常温で長く放置せず、冷蔵庫・冷凍庫で保管するのは、これにあたります。「長く」というのはあいまいなので書いてしまうと、常温で細菌が1回分裂する平均時間は30分、魚介類にもともと付着している腸炎ビブリオにいたっては10分に1回分裂するから、特に食材はすぐに冷蔵庫へ入れた方がいい。

最後に「殺菌」。これは、主に加熱を意味します。調理の最終過程で大抵の食事は加熱が入るけど、これは、もともと固い食材を柔らかくして食べやすくするという意味だけじゃなくて、「殺菌」の意味もあるわけです。ユッケだけじゃなく、刺身など非加熱食品の場合、この加熱がなされないから、食中毒のリスクは大きい。そのリスクを減らすために、「つけない」「増やさない」の二原則が守られなければいけません。「殺菌」のために、生魚は真水に弱い腸炎ビブリオを減らすために水道水で洗ったり、肉であれば、枝肉の段階で塩素水を使って噴射・浸漬させたりしていると思いますが、「加熱」ほどの効果はありません。

食中毒原因細菌によって、感染が成立して発症する細菌数が違います。多くの原因菌は、十万単位、百万単位の個数が口に入らないと、発症はしません。が、中には少ない細菌数で食中毒を起こす菌種があります。サルモネラやカンピロバクターは1万個程度で発症しますし、病原性大腸菌にいたっては、100個程度で症状が出ます。生食用食肉の基準が厳しくて、実際には生食用牛肉なるものは存在しないと言われていますが、食肉処理の段階で病原性大腸菌数を安全なレベルで維持するためには、厳しくせざるを得ないことから現行の基準になったはずです。ネットニュースなどでは、「現行の形骸化した基準を緩和しろ」という関係業者の声が載っていましたが、上の理由から、これはありえないと思います。

「なぜ、その基準を守らせてこなかったのか」という行政への批判があります。施設への通常の立ち入り検査(食中毒事件調査以外ということ)は、各自治体の保健所の食品衛生監視員が一名ずつで行います。そこで、生食用食肉として販売されているものを見つけた場合、口頭指導をするでしょう。が、罰則がないため、そこまでです。中には、「罰金でもあるの?」と言ってきたり、「他の店もやってることだ。なんでうちだけ!」と食って掛かる業者もいます。「人気のある食文化を止めさせることは難しい」という話がニュースに出ていたのは、そういう背景もあるのだと推察します。行政が実際に強制力を発揮できるのは、食中毒事件が起こってしまってからの「営業停止・禁止」「回収命令」措置ぐらいです。

以上は、私が食品衛生監視員であった頃に得た基本的な知識を基にした話です。実際の基準はもっと細分化されていますし、私が仕事をしていた頃から変わったこともありますから、現在の情報は厚労省のホームページで検索してみてください。

今、一消費者として考えることを最後に。そもそも、食中毒はいつでも起こっています。ニュースになるのは、飲食店等を原因施設とする「食中毒事件」だけです。だから、食中毒とはお店で起こるものと思っている人も多いと思いますが、実際には家庭での食事を原因とした食中毒も多い。「食事」とは、本来そのままでは口にできないものを口にできる状態にしてから食べるということです。その意味で「食事」には、外食、内食に関係なく、常にリスクが付きまとう。今、清潔になった日本ではそのような意識は忘れ去られていますが、この事件を一契機として、個人で食事のリスクから家族を守る方法を最確認してみませんか。これから気候が暖かくなってきます。今、室内には朝食時に食べたものが、網やスノコをかけるだけでそのまま放置されていませんか?肉や魚を購入後、どこかへ寄り道などして、常温に長く置くことになっていませんか?外食時、その食事は子供に与えてもいいものですか?

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# by fussyvet | 2011-05-05 12:30 | こうして社会は回ってる | Trackback | Comments(2)

Twitter上で行政へ「声」を届けることを求める動きについて

 3.11の震災後、特に福島第一原発の半径20 km圏内の警戒区域への切り替えが決まった直後から、動物愛護運動活動家によってTwitter上で国・地方の行政機関などへ「声を届けてください」の呼びかけが盛んになり、あっという間に広まっていった。その結果、環境省などにはメール3,000通が送信され、ファックスは山積み、そして電話は鳴りっぱなしになった。

 通常、国、地方問わず、行政機関の担当者は数人。呼びかけに応えた複数人が電話をかければ、それだけで担当者の手は塞がってしまう。その間に、来客があっても、特に福島県の機関へ住民が訪れたとしても、その人たちは電話のために応対してもらえなくなってしまう。動物愛護の活動家によって行政機関がマヒしてしまうのだ。経験を積んだ団体などは、まとめて然るべきところへ要望書を提出しているから、そのような呼びかけをする人は概して個人であることが多い。

 どうして、特定の機関をマヒさせるような行動をとるのか、私には全く理解できない。たくさんの声が届けられれば、「行政」が動くと思っているみたいだけど、それは全く見当違いである。行政は「法律に従って」、粛々と業務を全うするのみである。該当する法律もないのに、「たくさんのご要望にお応えして…」とは絶対にならない。国権の最高機関は国会。地方であれば地方議会。そこで法律を作ってもらわねばならない。そのためには力のある議員に声をかけるしかない。

 福島県が20 kmの愛玩動物の保護に入るらしいが、その決定は多くの個人がかけた電話の結果ではない。組織だって行われた要望書、協議の結果である。個人の声で地方行政が、はたまた国が変わるなら、こんな簡単な世界はない。

 私が最も腹立たしく感じるのは、そのような活動家の無分別な行動で、「動物愛護」に違和感や嫌悪感を感じる人を増やすだけだと思う故からだ。古くから活動している人たちは、なぜに同じことを繰り返すのか。もういい加減、気づいてほしい。

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# by fussyvet | 2011-04-28 13:53 | 動物 | Trackback | Comments(0)

合成洗剤なら動物データを利用しているはずで…

同時期にニッサン石鹸へ動物実験の問い合わせをされた方がいらっしゃいます。こちらによれば、ファーファブランドはユニリーバとライセンス契約を結んで、継続的にユニリーバへ契約料を支払っているという回答がニッサン石鹸から返ってきたということでした。ネットで検索すると、もともとファーファブランドはユニリーバが発売したもので、それをニッサン石鹸が譲受したようです。ユニリーバが動物実験をしていないという話は聞いたことがありませんから、ニッサン石鹸の一部の商品については、動物実験を行って開発された商品を譲り受けて売っていることになります。

もともと合成洗剤は開発過程で動物実験を行っているはずですから、当然といえば、当然の結果なわけで…。本当に動物データを基にしていない洗浄剤は、やっぱり純石鹸ぐらいじゃないでしょうか。

他社の動物実験を行って開発した物質を使って販売していれば、「動物実験をしていないメーカー」と勧められ、自社で実験を行っている企業は不買運動の対象にされるという構図はとても不公平ですよね。動物実験を行っているメーカーは動物実験代替法の開発に資金を出したり、自社で研究を行ったりしていますが、もし、これらの試験法が動物実験代替法として認められた場合、現在「動物実験をしていない」と称賛されているメーカーも製品開発の段階で利用するのではないでしょうか。これはやはり、「動物実験をしているメーカー」として非難されている企業にとっては、不公平感を伴うものではないかな。

合成洗剤を買うのであれば、動物実験をしているかいないかにこだわる必要はないと感じています。どこの製品も直接的であれ、間接的であれ、動物データを利用しているはずですから。Veganでありたいなら、純植物性純石鹸を選ぶしかないのだろうと思います。

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# by fussyvet | 2011-04-14 11:31 | 動物 | Trackback | Comments(1)

企業側も動物実験の問い合わせにはうんざりしてる?

今はやりの「すすぎ1回」の洗剤を調べていくうちに、ニッサン石鹸の「ウルトラファーファ」を見つけた。合成洗剤には必ず動物実験が行われているものと思っていたが、このニッサン石鹸については動物実験に反対するあちこちのサイトで「動物実験をしていないメーカー」として挙げられている。一企業に問い合わせたことなどなかったけれど、「本当か?」と思い、問い合わせてみた。実際に帰ってきた返事は下記参照。

メール受信担当者の転送したメールをそのまま使って返信とするところなど、こういう問い合わせが多くて辟易しているという雰囲気が感じ取れる(転送先の担当者に「ご苦労様です」って、あなたねぇ)。が、照会内容の「いかなる動物実験のデータも利用していないか」については、直接回答されていなくて、謎のまま。そのまま、ひな形の文章を利用したような印象を受ける(他のブログにあった文章と今回の回答文がほぼ同一)が、まあ、とりあえず、そういうことでした。

やってみて、あまり気持ちのいいものではないな…。


送信者 ニッサン石鹸(株) 長** < ******@nissansoap.co.jp >
日時2011年04月11日 13:11
宛先
TO: ****@*******
件名Fw: ウルトラファーファ(すすぎ1回)について


○○様

お問合せの件ですが、弊社で行ったり、外部に委託したりしておりません。
また、今後も行う予定はございません。
ニッサン製品をご愛用いただきますようお願い申し上げます。

*************************
ニッサン石鹸株式会社 東京本社
お客様相談室  長** *
TEL 03-*****、 FAX 03-*****
E-mail : ******@nissansoap.co.jp  
*************************


----- Original Message -----
From: mori****
To: 長** *[ニッサン石鹸?] ; 木* *夫[ニッサン石鹸?]
Sent: Friday, April 08, 2011 4:10 PM
Subject: Fw: ウルトラファーファ(すすぎ1回)について


ご苦労様です。
転送しますので対応の程よろしくお願い致します。

森* *義


----- Original Message -----
From: ****
To: <******@nissansoap.co.jp>
Sent: Friday, April 08, 2011 3:39 PM
Subject: ウルトラファーファ(すすぎ1回)について


> 初めて質問させていただきます。
>
> 御社でもすすぎ1回の衣料用洗剤が発売されたのを知りました。従来より、新規日用品用化学物質の市販化には動物実験が必要であると覚えております。
> 「動物実験反対」を唱える団体などがインターネット上で発表している「動物実験をしていないメーカー」の中に御社が含まれていることも覚えております。
>
> ウルトラファーファ開発に際し、御社では動物実験を行っておられないのでしょうか?あるいは、御社の研究施設では行っていなくとも、外国の試験実施者に委託してはおられないのでしょうか?また、いかなる動物実験のデータも利用されていないのでしょうか?
>
> 以上、非常に関心をもっております。購入の際の参考にさせていただけたらと思います。
>
> (住所)
> (氏名)
>
>



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# by fussyvet | 2011-04-11 15:46 | 動物 | Trackback(3) | Comments(3)

「動物愛護管理法」の改正を求める署名

NPO法人 アニマルレフュージ関西のニュースレターに「動物愛護管理法」の改正を求める署名が同封されていました。自分が信頼している動物保護団体からの要請ですので、ここに直接ご紹介します。

実施団体:THEペット法塾
URL: http://www.the-petlaw.com/

ここから署名用紙のダウンロードおよび郵送申し込みができます。

上記サイトをよくお読みになったうえでご賛同いただける方はご協力いただきますようお願いいたします。

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# by fussyvet | 2011-03-24 09:57 | 動物 | Trackback | Comments(1)

アメリカの経済学者「経済的損害よりも人的被害の方がずっと大きかったことに感謝してよい」

下の動画の0:37辺りから、アメリカのユダヤ人経済学者Larry Kudlowが、"The human toll here looks to be much worse than the economic toll and we can be grateful for that."(人的被害の方がが経済的損害よりもずっと大きかったようだが、我々はこのことに感謝してよい)と発言してる。



石原都知事の「天罰」発言がマスコミを介して非難を浴びているが、もともと舌足らずな輩だ。今回の問題発言も平和ボケした日本人を非難する意図があったのであって、なにも被災者自身を指したものではなかったと感じてる。それよりも、上のLarry Kudlowの発言の方がよほど頭にくるのは私だけだろうか。

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# by fussyvet | 2011-03-16 05:48 | 世界の話 | Trackback | Comments(2)

これ以上、糾弾しなくてもよいと思うのは私だけだろうか

どうやら、京大で発覚したのを初めとした一連の入試投稿の容疑者が逮捕されそうなのだけど、ちょっと個人的にいろいろな思いが頭を駆け巡っている。

自分が同時期の受験生だったら、許せなかっただろうと思うし、実際に特定されたという報道が流れるまでは、「まったく不届きな大ばか者め」と思っていた。が、一連の報道の中でどうやら父親の存在がみえないこと、心療内科を探す投稿があったことからすると、母と祖父母に迷惑かけられない「後のない浪人生」だったのだろうと想像してしまう。不正をせずとも受かる大学では、自分自身でも周囲からも許容されなかったのだろうか。自分のことに置き換えてみると、息子を追い詰めないようにするには…と考え込んでしまう。

大学が告訴を取り下げれば、彼は前科者にならずに済むのだろうか。不正はまかり通らないことは本人だけでなく、周知もなされたわけだし、既に合格が決まっていた早稲田大学については審査して、不正による合格であると判明したら合格を取り消すことだけではダメなんだろうか。彼を不起訴にしたら、再犯や模擬犯が出現するのだろうか。これ以上、追い詰める必要はないと思うのは甘いのだろうか。
# by fussyvet | 2011-03-03 14:39 | 徒然 | Trackback | Comments(0)

ブログ「広島ドッグぱーくのボランティアの真実」

2006年に広島ドッグパークの崩壊に伴い、その動物保護団体の問題点について、内部告発やら噂やらが飛び交ったのですが、実際にボランティアに参加していた人が、「今だから語れること」をブログにつづり始めました。ご興味ある方は、ぜひお読みください。

広島ドッグぱーくの真実
知られざる広島ドッグぱーくのボランティアの真実。嘘か真か、はてさてその真相は・・・・・


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# by fussyvet | 2011-02-26 08:22 | 動物 | Trackback | Comments(0)

動物実験代替法を人体実験代替法と言い換えることについて

最近、動物実験代替法を人体実験の代替法と言い換える傾向が散見されます。最初、この人体実験代替法という言葉の代替を見たとき、ピンときませんでした。それどころか、普通の人だったら、この言葉を見たときに「大丈夫かな」という感想を持つんじゃないかと思います。

そもそも動物実験は必要ないという考え方に由来するのだと思いますが、今回はこの「人体実験代替法」という言い換えに対して少々批判を加えたいと思います。

動物実験にも数々あります。しかし、その批判の急先鋒がターゲットとするのは医薬品、農薬等の承認に係る非臨床試験ですが、これ自体が既に人体実験代替法であり、そのことは医者や研究者は既に承知のことです。ですから、「人体実験代替法」という言い換えに対して、彼らは「何を言ってるんだ」と呆れるはずです。

さらに、獣医系大学、理学部などヒト以外について研究を行っている教育機関の動物実験は、人体実験の代替法ではありません。だから、「動物実験代替法」を「人体実験代替法」と言い換えることで、逆に獣医系大学、理学部などの動物実験を自ら除外し、動物実験代替法の範囲を狭めてしまうことになります。動物実験代替法学会には獣医系大学の研究者も少なからず参加しているのに。

本当に動物実験をやめさせたいのであれば、「人体実験代替法」という言い換えは止めた方がいいんじゃないかなと思います。あえて言い換えるのであれば、「生体実験代替法」でしょう。これなら、動物実験の苦痛のカテゴリーB以上の動物実験がほぼ全て含まれることになります。あまり意味がないどころか、動物実験の縮小にとって逆効果になる言葉に言い換える必要はないだろうと思うわけです。

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# by fussyvet | 2011-02-14 19:37 | 動物 | Trackback | Comments(0)

獣医学教育における生体実習について質問をもらいました

動物愛護に関心を持つ方から質問をいただきました。

Q. 欧米で一切動物を犠牲にせずに単位をとり、獣医になれる大学が増えているのですが、それに対して、「模型やCGだけで学んだ獣医師には診てもらいたくない」「実際の生物を用いた実験でしか学べないことがある」という意見をよく聞きます。そこでこれに関するご意見や生体を用いた実験だからこそ学べたことがもしあるのであれば、おうかがいしたいと思います。

まず最初に、欧米で一切動物を犠牲にせず単位が取れる獣医系大学が出てきているというものの、最近はあまり聞きません。やはり限界があるようです。そのことから考えても、「実際の生物を用いた実験でしか学べないことがある」ということは真実だと思います。ただ、「模型やCGだけで学んだ獣医師」についてですが、そんな人は実際にほぼ皆無だと思います。「一切動物を犠牲にしない」ということは、「一切動物の体を用いて学ばない」という意味ではありません。欧米では、献体制度と言って、動物病院で亡くなった動物の遺体を所有者から承諾を得て実習に用いる方法を取り入れているところがあります。実際に、そういった方法で学び、獣医になった北欧の獣医師と話したことがありますが、彼女は卒後、小動物のための病院を開業しています。生体を犠牲にしていなくても、動物の身体からは学べることがあるし、実際にそうしているし、また、最低限、そうでなくてはならないということです。

では、献体制度からも学べない、最初に触れた生体を用いた実験でしか学べないことを何に置き換えていくのかについてですが、これが難しく、教育機関としての大学全体が本腰をあげて取り組まない限り、教育における代替法の導入は実現されないでしょう。一時期、学生が熱心に取り組んでいましたが、彼らが社会人になって大学を離れたら、後を熱心に継ぐ者もなく、大学側が本腰を入れる前に衰退していったように感じています。結局、一時の流行で終わってしまいました。学生の代替法を求める声が大きくなり、さらにそれに指導者側も参加しなければ、生体実習代替法の開発はできません。今、北海道大学獣医学部でそのような取り組みがされていますが、獣医学会で時々発表がある程度で、現在、どのような進行状況であるのか、その他の日本動物実験代替法学会など、外には大きく聞こえてきません。

以上は、大学教育、特に獣医学教育に関することであり、高校以下の学校については生体実習など必要ないと思います。実際に私が育った県では、中学一年でミミズを犠牲にした以外、小中高で解剖はありません。それでも、私は全く問題なく成人し、高等教育を受け、獣医師の資格を取って現在に至っています。


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