炭酸ガスによる殺処分について(再掲あり)

 以下のような質問を受けました。

 所謂、炭酸ガスによる殺処分の実態についてですが、例えば、「気絶をするから 安楽死だ。」と言う人も居れば、「もがき苦しむから安楽死ではなく、窒息死である。」と言う人も居て、私にはそういった専門的知識もありませんので想像の範囲でしか知ることが出来ません。
 私は一辺倒な考え方を持つ事にとても抵抗があるので、質問したくメール差し上げました。
 炭酸ガスでの殺処分は動物にとって安楽死と言えるのでしょうか?


 これに関して、昨年の実験動物医学会で発表された教育シンポジウムの抄録が公開されていますので、そちらを参考にしてください。なお、この抄録の最後の演題に出てくる効果が高いとされるイソフルラン麻酔の併用ですが、ほとんどの自治体ではイソフルランなどは使われていません。設備、予算の問題等があると思います。それから、二酸化炭素による安楽死についての過去記事は「二酸化炭素による動物の殺処分について(2007年9月3日付)」にあります。
 「気絶をするから、安楽死だ。」「もがき苦しむから安楽死ではない。」は、あくまでも見た目から判断されたものであり、科学的裏付けはありません。もちろん、見た者(殺処分を実施する者)の精神的苦痛も考慮に入れて安楽死を定義する人もいます(実施する者の精神的苦痛が生じる方法は、安楽死と認められず、回避するべき)。動物の苦痛除去を第一に、実施する者の精神的苦痛や実用性(効率、コスト、設備等)をその次に考えて安楽死方法は考えられるべきだろうと思います。今のところ、二酸化炭素はその鎮痛作用によりガイドライン上、安楽死方法として認められている国が多いと思います。が、分かっていないことが多いのも事実で、その解明には今後の研究が必要です(そうすると、この部分についての動物実験を肯定することになります)。一番いいのは、イヌ・ネコの飼育者に審査を設け、商用・個人的趣味を問わず繁殖を制限等して殺処分される動物をなくすこと、実験動物の削減であることは言うまでもありませんが。


※本ブログはリンクフリーですが、本ブログ内の文章の転載については、リンク等により記載元としてこちらが分かるようにし、かつ、同一文章を修正または一部抜粋することなく全文を記載してください。同一日付内文章の無断での一部抜粋および加工転載は一切お断りします。
 管理人は仕事、育児および家事にと綱渡り生活を送っております。申し訳ありませんが、いただいたコメントおよびメールについて、個別に返信することができません。ご了承ください。
by fussyvet | 2009-09-27 15:50 | 動物 | Trackback(2) | Comments(3)
トラックバックURL : https://fussyvet.exblog.jp/tb/9023122
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from せびろ at 2019-02-13 01:28
タイトル : ぎいん
炭酸ガスによる殺処分について(再掲あり) : 動物のお医者さん日記... more
Tracked from 動物 at 2019-02-13 14:39
タイトル : ふたば
炭酸ガスによる殺処分について(再掲あり) : 動物のお医者さん日記... more
Commented by べじ at 2009-10-24 18:58 x
はじめまして。
「動物のお医者さんが見てきたこと」についてリンクさせて頂きます。
また、その中の「動物を飼う人の条件」について、少しでも多くの方に知ってほしくブログで紹介させて頂きます。
宜しくお願いします。
Commented by ひよこ at 2009-10-31 19:39 x
安楽死って本当かどうかわからないものも多いんだね。
いままで科学的定義とか疑問にすら思ったこともなかったし……
本当は寿命で自然に死ぬのが生き物として正しいんでしょうね。
Commented at 2010-08-05 12:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< 第22回日本動物実験代替法学会... パイレーツ・オブ・カリビアン/... >>