性善説と性悪説とがあるが、日本社会のベースは性善説であり、欧米社会のは性悪説である。
昨日、薬剤師の知人と話していた。しばしば薬の出し間違いがあるが、それについて薬剤師仲間は「人間だから間違いもある。」と言っていたそうだ。私は日本人の癖に、どちらかと言うと性悪説を採っている。だから、その話にも頷く。だからと言って、ミスをすることに開き直れと奨励しているわけではない。医者であろうが薬剤師であろうが、そして勿論獣医師であろうが、心から当てにはしないということだ。だから必ず、医者には自分が獣医学で得た知識もフル動員して疑問点は全て尋ねて納得するようにしているし、薬や日常の買い物のおつりも必ず確かめる。人間は間違える生き物であるから、その場で確かめることで後のトラブルを予防することもできる。「信用したのに…。」というのは、性善説に基づいた、後で生じたトラブルで自分を正当化して人の同情を得るための武器にもできる言葉であり、私はあまり好きではない。 危害分析重要管理点(Hazard Analysis Critical Control Points: HACCP, 参考はこちら) という考え方がある。もともと、食中毒でさえ命取りになりかねない宇宙食製造のために考えられた考え方である。これも欧米の”性悪説”がベースにある。人間は間違いを犯すものである。だから、どんな人間でも、そこさえ押さえておけば大丈夫というようなポイントだけを押さえて危害を防ごうという考え方から出ているのだ。”性善説”の強い日本にはあまり馴染まないかも知れない。でも、「信用」を笠に着て、贈収賄、着服、利権政治を行うタヌキ親父たちをのさばらせておくような社会よりも、最初から「人は間違いを犯すものだから。」と要所要所を押さえたチェック機能を持つ社会の方が良いと思う。 自分以外の人間を信用するなという意味ではない。自分だって間違いを犯すのだから、自分だって当てにならない。そうすると他人の罪にも寛大になれるし、罪が大きな犠牲を生む前に予防することもできる。間違いを犯してから裁くのは天に任せておけばいい。それよりも予防と、罪を悪用しない良質の人間関係を築くことが大切だと思う。
by fussyvet
| 2004-07-29 10:28
| こうして社会は回ってる
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