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宗教と政治、権威主義など

公立校で進化論否定は違憲 米、宗教保守派反発か [ 12月21日 10時12分 ] 共同通信

 【ニューヨーク20日共同】米ペンシルベニア州の連邦地裁は20日、人間は人知を超えた力によりつくられたなどとする「インテリジェント・デザイン(ID)」の考えを公立校で教えるのは、政教分離の原則を定めた憲法に違反するとして、授業での採用を禁じることを決定した。
 進化論を否定したIDの授業への取り入れは、ブッシュ米大統領再選の原動力となったキリスト教保守派が推進。ジョージア州やカンザス州でも、その是非をめぐり論議となっていただけに同保守派はこの日の決定に反発を強めそうだ。
 マクレラン大統領報道官によると、ブッシュ大統領は決定について「論議の内容について十分理解するためにも、生徒らは異なった理論に触れるべきだ」と批判的な考えを示した。


 アメリカでは保守的なキリスト教福音派が強く、政治にまで大きな影響力を及ぼしている。宗教は政治とつながるべきではない。中世でカトリック教会が犯した権威主義という過ちにつながるものを感じる。
 私は進化論を否定するクリスチャンには懐疑的である。科学者の中には科学と信仰をきちんと両立させている者がいる。彼らは進化論を否定しない。そして、私も創造論ではなく進化論者である。進化の過程で神の力が働いてきたと思っている。

 昨日、偶然「マグダレンの祈り」を途中から見た。この映画を知らなかったし、ましてや途中からであったので訳が分からなかった。途中から見たシーンでは、修道院にいる女性が寝たきりになったお婆さんにひどい仕打ちをしているものもあった。そのシーンを見ただけでは、「なんてひどい女!」という印象だけだった。そして、全体的にひどく暗い映画だった。
 後で調べてみたら、それがアイルランドで1996年まで実際にあった修道院でのノンフィクションを元にしていることが分かった。厳粛なカトリックの戒律を大義名分にして、アイルランドでは”性的な罪”を犯した女性を修道院に監禁し、”更生”として重労働、体罰、性的虐待下に閉じ込めたのである。上記の映画は未婚の母になった女、従兄弟からレイプされた女、そして見た目が美しく男性を惹きつけるがために”罪”とされた女がその修道院に入れられる所から始まったらしい。途中から私が見た場面は、そんな虐待を受けた女が、倒れて動けなくなったシスターの世話をしている場面であったらしい。
 人間は悲しいかな、罪を犯す。そしてその罪は同じ人間が裁けるものではない。喜怒哀楽の感情は感じることまで否定するわけではない。が、裁くのは神である。体罰や虐待で以て裁くのは違う。罪を犯し、苦しんでいる人間こそ、イエスが救いたかった人であるはずであるのに…。
 私など映画の舞台に存在したとしたら、真っ先にこの修道院に監禁される部類だっただろう。想像するとゾッとする。絶対に宗教を政治、他の権力と結びつけてはいけないのだ。
by fussyvet | 2005-12-22 15:01 | こうして社会は回ってる
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