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ペットを飼育する者への免許制度の導入は難しいか?

「ペットを飼育する者への免許制度の導入は難しいか?」
という質問を受けた。その方は最近ブラウン管で毛皮製造での動物取り扱い方法の実態を知り、いろいろと検索されたそうだ。それで、悪徳ブリーダーの排除、一般飼育者の無知識交配の禁止、そして責任感のない飼育者の削減等短期間で自分自身がたどり着いた事実がなぜ現実化されていないのかと疑問を持っているとのことだった。

 個人的にはペットを飼育する者にもライセンス制度を導入すべきだと思う。自分のホームページにも書いてあることだけれども、本当に初歩的、基本的、簡単、当り前の事実を考慮せずして動物を飼育し始め、結果的に悲惨な結果に終わる人が後を絶たないからだ。人間、愛らしいものをなんとか自分のものにしたいと欲求を抱いたとき、その欲求はあまりに突然かつ激しすぎて、そんな基本的飼育条件等を考える間もなく“ペット”を購入(あるいは「生まれてしまった」という知人から譲渡)する。が、そのような衝動買いは“ペット”に関して言えばあまりにも重大で悲劇的な結果を生じる可能性が大きい。どんなに動物好きを自称しようともだ。
 そんな安直な動物飼育を防ぐには、やはり飼育前の飼育者教育が重要だ。動物を飼えば、餌を毎日やらなくてはいけない、糞尿の始末も毎日しなくてはならない、鳴き声により近所から苦情が出ないように対策を講じなくてはならない、しつけもしなくてはならない、避妊去勢手術もしなくてはならない、病気になれば病院に連れて行き看病や投薬もしてやらなくてはいけない、予防接種も毎年受けなくてはならない、そのためには収入と一定面積の居住地を確保しなくてはならない…。ざっと、挙げるだけでもこうだ。
 が、そのような煩わしい“教育”を施せば、動物を購入する者は減るだろう。だから、動物販売者はライセンス制度など導入したがらない。そもそもそんな説明を購買時にできる販売者はいない。大方の動物販売業は店頭にパートやアルバイトを安く使い、利益を上げようとしている。そんなにわか店員に知識があるわけがない。ペット飼育者のライセンス制度など導入されれば、面倒くさくなるばかりか、売り上げが減る。「冗談じゃない。」が本心だろう。数年前に動物取扱業に関する規制のパブリックコメントが募集されたとき、動物取扱業者から同じ文面をコピーして大量に意見が寄せられたそうだ。生後2か月未満の幼獣販売の禁止をはじめ、“ペット”を売りつけるために障害になる法律は彼らにとって邪魔でしかない。営業妨害であるとすら言うだろう。そんな状況で飼育者のライセンス制度など設けられるわけがない。
 愛玩動物として飼育される動物の福祉のためには販売にも交配にも飼育にもルールは必要だ。動物愛護を掲げる団体個人の誰しもそれには気付いている。しかし、業者団体がそれを阻む。また、「ライセンスなんて…。」と事実を知らずにまゆを細める消費者も多いだろう。それらを納得させるには世論が高まるしかない。何かをきっかけにして知り、関心を持ち、調べ、問題に気づき、解決策を推す国民が増えることだ。これを「国民の意識を高める」という。残念なことに、我が家の近所を見ただけでも、糞の始末をしない、イヌを放すことを禁止している公園内でリードを外す飼い主群が公然と当たり前のような顔で闊歩し、偏狂した動物愛護団体は理不尽な行政叩きしかしていない。動物を飼うということは不自然な行為であり、自由な権利ではないということを認識し、そのためのルール作りの必要性を当たり前のように国民が感じるようにならない限り、この国の“ペット”たちに幸福はあり得ないと思っている。
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by fussyvet | 2008-09-15 10:21 | 動物