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カテゴリ:映画( 26 )

「ザ・コーヴ」鑑賞

ザ・コーヴ [DVD]

ポニーキャニオン



日本のイルカ猟を批判したドキュメンタリー映画がアカデミー賞のドキュメンタリー部門で最優秀賞を獲得したという話題から始まり、同映画が国内で上映されることが決定すると上映予定の映画館に街宣車が「反日映画を上映するな」と妨害活動を始めたということで、どんなもんかと思って構えながら見たが、これのどこが反日映画?製作者が外国人というだけで、日本人全体を敵視した内容なんかじゃないじゃない。

全編を通して出てくるのが、「わんぱくフリッパー」の調教師だったリチャード・オバリー氏。彼はフリッパーを演じた複数のイルカの調教師だったが、自分が飼育することで自分の愛するイルカたちがどれほど苦しんでいるかに気づき、イルカの解放運動を始める。もともとは日本での活動などではなく、自国で水族館用に送られるために捕獲されたイルカたちを逃がすため、そこで網を切るなどの非合法的な妨害活動を含めた活動を展開していた人。日本の太地町を標的にするようになったのは、そこが世界中の「イルカショー」への供給源になっていたからだ。

イルカの屠殺現場を撮影するため、彼らはチームを構成する。声をかけられたのは、特撮の専門家、スキンダイバー、冒険家など多種多様なメンバー。太地町に入ってすぐ、見た目で外国人とわかる彼らは警察や漁協から尾行を受ける。町全体が敏感になっていたから、当然と言えば当然。その辺りの攻防と、農水省、IWCにおける日本代表の説明と現実の矛盾、そして、イルカなど海の生態系で上位に立つ動物の水銀汚染を絡めて話が進行していく。映画のクライマックスは撮影に成功した屠殺シーン、そして、その後、その画像を農水省の役人に突き付け、IWCで「屠殺方法は改善され、ほとんどが即死する」と日本代表が説明しているさ中に嘘であると示すように会場に見せて回る。私自身は、イルカを含めた捕鯨反対派が理由とする「知能が高い動物だから」というものには、「知能が低ければよいのか」と反発を感じるが、「屠殺方法が長時間苦しませる方法であるから」という点で私は彼らに賛成だ。ちなみに、牛、豚、鶏の屠殺を見てきたが、イルカ猟よりもずっと苦しむ時間は短い。

リチャード・オバリーは、イルカの調教師だった頃、稼いだお金でポルシェを購入した。それは自分が製作に参加した「わんぱくフリッパー」によってイルカの人気が上がり、経済的価値も上昇し、捕獲されるイルカが増えたせいだったことも知らずに。「私は愚かでいい気になっていた」というようなその自責の念も伝わってくる。太地で撮影した映像を首からかけたモニターに映し出して、IWCのみでなく、東京の街中でたたずむ彼の姿は、道化師そのものだ。それを彼は敢えて自分に課しているようにもみえる。

「反日映画だ」「プロパガンダ映画だ」という声こそ、プロパガンダだろうと思う。多分、裏で関係者が動いているのだろうと思う。そんな声に騙されずに、まあまずは普通の人には見てほしい。そして、考えてほしい。動物愛護に関心のある人もない人も。

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 管理人は仕事、育児および家事にと綱渡り生活を送っております。申し訳ありませんが、いただいたコメントおよびメールについて、個別に返信することができません。ご了承ください。
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by fussyvet | 2011-07-09 16:34 | 映画

「ドグマ」

ドグマ [DVD]

東宝ビデオ



 アラン・リックマンが大好きで、彼が出ている作品を見漁っている最中にTSUTAYAから届いたという理由だけで見たのですが、思わぬ掘り出し物でした。
 私はクリスチャンです。と言っても、食事の前に必ず祈り、毎週日曜日には欠かさず教会へ行くといういわゆる“敬虔な”クリスチャンではなく、この映画の主人公ベタニーみたいな感じです。
 この映画は「“キリスト教を冒涜している”として各地で上映禁止運動が起こった」とのことですが、確かにイエスが伝えたかったことの本質を見逃して、中絶反対だのと言いながら、イスラム教を敵視して武器を輸出し続ける欧米の一部クリスチャンから見たら、彼らを冒涜しているように思えるでしょう。が、この映画は神の愛の本質を随所で訴えています。人種差別非難、性差別非難、ゲイへの偏見への非難、宗教・宗派間の対立と戦争への非難、挙げたらきりがありませんが、宗教を利用してそうした紛争を引き起こしている人たちへの批判をユーモアでもって埋め込んで、神が真に願っていることはこうじゃないのと示唆しているように思います。
 いやあ、おもしろかったし、結構、深い。星5つ。
 確かに宗教に詳しくない人には分かりづらいかと思います。

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by fussyvet | 2009-12-23 08:15 | 映画

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

 最近、レビューを書く元気もなくなるほどシリアスな作品が続いたので、これはかなり期待して見たのですが、エンターテイメントとしては第1作目の方が上、コメディとしては第2作目の方が上です。が、特撮とアクションはこれが一番上だと思いました。

 デイヴィ・ジョーンズと海の女神はどうなったの?そもそも、なんで海の女神の登場も唐突。
 ウィリアムがどうしてああなったの?
 ジャック・スパロウとエリザベスの恋愛ちっくな伏線は不要。

 物語と人物の関係が複雑で、展開も速くて、分かりませんでした。おもしろいんだけど、わかりづらい。結局、wikipediaに詳しく書かれていたストーリーを読んで初めて理解できました。
 チョウ・ユンファ演じる海賊サオ・フェンの出番はもっと多くても良かったのでは?チョウ・ユンファが、バッドマン・ビギンズでの渡辺謙と同じような出方だったからか、「もし、渡辺謙が演じていたら、どうだっただろう?」と想像してしまいました。まあ、シンガポールを拠点とする海賊の役なので、中国人の方が適任だとは思いますが。
 結局、個人的にはベケット卿の最期が一番印象に残りました。そのベケット卿を演じていたトム・ホランダー初め、デイヴィッド・スコフィールド、そして、愛するビル・ナイ等々、脇を固めたイギリス人俳優たちが渋くて、後から調べるのに時間がかかってしまった。調べながら、「日本にも山崎努だとか、仲代達也だとか、渋い俳優がいるよな。彼らももっと国際的に認められてもいいのに…。」と心で呟きもした。

 元々、シリアスな話が好きだったけれど、最近は観終わってから、「ああ、楽しかった。」と素直に、単純に思える映画の方がいい。歳のせいか…。
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by fussyvet | 2009-09-25 23:10 | 映画

「ブラッド・ダイヤモンド」

 数日前にDVDで見ました。1回目は字幕でお酒を飲みながら、2回目は監督の解説付きで。それでも、見足りないので、アマゾンで特別版の中古品を注文してしまいました。
 シエラレオネの内戦では反政府軍に手足を切断された人たちが五万といます。女子供容赦なくです。が、この映画の中でそのシーンは1度きり。しかも、この映画の中では大きな斧で一気に切断していますが、実際は現地でマチェットと呼ばれる大きなナタのような物で何度も叩いて切断しているわけで、それと比べたら、あっさりとしていますし、実際に少年兵が行った残虐行為の中には妊婦のお腹の中にいる子供が男の子か女の子か賭けをして、その腹を裂いて殺しただとか、眼球をえぐり出しただとか、映画では描けないようなことが行われていたわけで、そんなレポートを読んだことがある者にとっては、この映画の何とマイルドなことか。それでも、「レオナルド・ディカプリオ」の名前や映画の宣伝用動画につられて何気なく見た人にとっては、本当に目から鱗のショッキングな内容だったろうと思います。それが伝わって、さらに”キンバリープロセス”だとか、他の紛争の背景に関心を持つ人が増えれば十分。監督も監督冥利に尽きるだろうと思います。

 レオナルド・ディカプリオは”いい男”じゃなくて、優秀な俳優です。無冠の帝王だけれど、彼がこのまま役者を続ける姿をずっと見ていたい。
 ジェニファー・コネリーも知的になりました。ラブシーンなんて入れなくて、正解。
 映画の中の少年兵は無理やり少年兵として育成されて、解放後は家族の元に帰れたけれど、実際は快楽で人を殺すことを楽しんでいた少年もいたし、家族に受け入れられない元少年兵もいた。映画で全ては語れないけれど、それでも、この作品は価値ある映画だと思います。
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by fussyvet | 2009-07-26 22:45 | 映画

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

 これまでのシリーズを見てきたのと、アラン・リックマン見たさが理由で見てきました。ハリポタを映画館で見たのはこれが初めてですが、DVDを家でこそこそ見るのとでは迫力が段違いでした。残りの2作も映画館で見たいと思っています。

 以下、ネタばれ少しありです。
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by fussyvet | 2009-07-26 22:10 | 映画

「人間の証明」

「人間の証明」 出演 ジョー・山中

 ツタヤの郵送レンタルで見た。古い映画。
 なぜ、見たのかと言えば、子供を生んだ後に偶然、こんな映画があったことを思い出したから。「母親が子を殺せるか?」

 それで悪い”母親”がこの映画を見た感想です。

ネタばれあり
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by fussyvet | 2009-07-10 00:04 | 映画

「ナイロビの蜂」

 夫と息子を夫の実家へ追いやり、のんびりと一人でたった今、鑑賞。

 レイフ・ファインズをまともに見たのは、もういつ見たのかも忘れたほど昔に見た「イングリッシュ・ペイシェント」、それから、顔の原型がわからない特殊メークで登場の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」以来、3回目。つい数年前にフライト・アテンダントとのスキャンダルの印象の方が強くて、「眼ヂカラのあるエッチな男」くらいの印象しかなかった。が、この「ナイロビの蜂」では、優柔不断だけれども、優しくて、しかも真摯に粘り強く不正を追及していく男を静かに演じていて、見事だった。すっかり愛してしまった。
 映画の内容は、もうガクンと憂鬱になる。これが本当だったら、先進国に住んでいるのが嫌になってしまう。まあ、あながち全てがあり得なくはないと思うが、実際は製薬会社に勤めている良き友人たちもいるので、この物語をノンフィクションとして「製薬会社=悪」の図式を作るのは短絡的だと思う。個人的なおまけとしては、こんなところで”ジャンジャウィード”を見るとは思わなかったから、ずっとダルフールのニュースを追っている者としては、現実と少しつながって見えた。
 ただ、最後がいけない。君の家族は”妻”だけか?家族以外にも大切な友人はいないのか?妻のためにも、他にするべき有益なことがあっただろう?私なら、自分の人生をあんな結末にはしたくない。
 結構、ストーリーが複雑でわかりづらいかも知れないけれど、お勧め度は星4つ。愛するビル・ナイを見れたのもよかった。他の脇役も名前は知らないけれど、good。
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by fussyvet | 2009-06-20 22:36 | 映画

「父親たちの星条旗」

 「硫黄島からの手紙」の兄弟作品で、「父親たちの星条旗」の方が先に作られたものであるはず。
 見ていくうちに不思議なことに気がついた。私は日本人なのに。私は「硫黄島からの手紙」を見て、感情移入していたはずなのに。「父親たちの星条旗」の中で日本軍が攻めてくるとき、「やめて!」と思わず祈ったように、日本軍を“敵”として見ていた。かつて祖父の敵でありえたかも知れない人たちに感情移入して、自分の国の兵士を憎く感じてしまっていた。きっと、戦争とはこういうものなのだろう。
 近頃、若い男性に限らず、男の人を見ると、その人の背負っている人生に自分の息子を重ねてしまう。映画に出てきたのはアメリカ人の若者だけれど、自分の息子だったらと思うと耐えられない。そして、息子を失った母親の姿を見ると、自分と重ねて居ても立っても居られない気持になる。まあ、男の子を持った女性の感想はそういうところだろう。
 もともと、外人さんの顔を区別することが苦手なのだけれど、そのせいか、なかなか名前を覚えられず、一回目を見終わってしまったので、もう一度、最初から見直して登場人物を整理しようとした。が、会話に名前が出てこない場所では、どうにも区別がつかない。私の区別が苦手なためかと思ったが、いや、まて、そもそも戦争とはそういうものなんじゃないか。それぞれが誰であるかなんて、大義のためには捨てて置かれるものだ。もしかして、この映画はわざと個人の識別など無視しているのじゃないかしらと、妙に感心してしまった。

 心の痛む映画。戦争は外交の一つ。外交の下手な人間を選んじゃダメだ。再び固く誓った。
 どちらから見てもいいけれど、「硫黄島からの手紙」とセットで見ることをお勧め。いえ、どちらか一つでもいいと思うけれど、それだと何かやっぱり欠損していることになると思うので。
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by fussyvet | 2009-06-14 01:47 | 映画

「硫黄島からの手紙」

 DVDレンタルが来たので見始めたのですが、5章で挫折。俳優はほとんどが日本人、他のスタッフはアメリカ人で作られたせいか、日本人俳優の演技指導をちゃんとしてるのかな?渡辺謙さんと伊原剛志さんはかっこよくて素晴らしいことには違いないのだけれど、もう少し演出した方が彼らの演技の素晴らしさを引き出せたんじゃないかと思う。どの俳優もボソボソという感じのセリフ回しで、それがわざとらしくにも思えてしまった。その中で中村獅童の目はとても惹きつけられる。
 で、さらにこの先予想される戦争の悲劇を思うとブルーな気分になってDVDの5章でストップさせ、ここまでを書きました。

そして、後日見終わりました
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by fussyvet | 2009-05-15 06:05 | 映画

「告発のとき」

「告発のとき」
出演: トミー・リー・ジョーンズ, シャーリーズ・セロン 監督: ポール・ハギス


 う~ん、最後まであれがシャーリーズ・セロンだとは気がつきませんでした。見終わってからキャストを見て「えっ!?」と信じられず、もう一度見直して顔を確認しました。いい女優、というか素晴らしい女になりましたね。「サイダーハウスルール」の頃の女のずるさをふんだんに利用したような雰囲気は大嫌いでしたが、「告発のとき」の中のセクハラにも負けず毅然と仕事をする姿、息子を思う母の顔、それから鼻にバンソウコウを貼った姿もすべて素敵でした。
 トミー・リー・ジョーンズ、スーザン・サランドン、フランシス・フィッシャーの存在感は言うまでもなし。若手俳優はこれら名優たちのオーラのせいで少し霞んでしまった感じ。そんな演技批評はどうでもいい。とにかくストーリーです。
 単純な反戦映画じゃないと思いました。現在進行形の紛争について調べている私だから感じたのかもしれませんが、少しでも「戦争とはなんなのか?」と考えている人にはお勧めです。特に「息子」を持つお父さんお母さんには心動かされるものがあるのではないかと思います。この映画の監督の他の作品も漁って見たいと思いました。

星5つ
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by fussyvet | 2009-02-14 00:18 | 映画