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カテゴリ:こうして社会は回ってる( 134 )

食事とは、もともと食べられないものを食べられる状態にして口に入れることなので

ユッケによる食中毒の死者が4人になったというニュースが入りました。食肉処理の段階での過失なら、一チェーン店だけに収まらず、拡大していくはず。原因食品、原因施設等については、現在調査中ですので、個人としては、これ以上、犠牲者の数字が上がらないことを祈るだけなのですが、ちょっと「食事」ということに関して思うことがあるので、基本的な知識を基に書きとめることにしました。

食中毒予防の三原則は「つけない、増やさない、殺菌」。「つけない」は食中毒原因物質を食材、加工中食品、そして最終食品につけないということ。家庭でも、まな板を魚、肉、野菜で使い分けたりするし、未加工の食材と加工済みの食品とを直接的・間接的に接触させないようにするのは、これにあたります。次に「増やさない」というのは、食中毒原因物質を増殖させないということ。食材、加工中食品、最終食品は常温で長く放置せず、冷蔵庫・冷凍庫で保管するのは、これにあたります。「長く」というのはあいまいなので書いてしまうと、常温で細菌が1回分裂する平均時間は30分、魚介類にもともと付着している腸炎ビブリオにいたっては10分に1回分裂するから、特に食材はすぐに冷蔵庫へ入れた方がいい。

最後に「殺菌」。これは、主に加熱を意味します。調理の最終過程で大抵の食事は加熱が入るけど、これは、もともと固い食材を柔らかくして食べやすくするという意味だけじゃなくて、「殺菌」の意味もあるわけです。ユッケだけじゃなく、刺身など非加熱食品の場合、この加熱がなされないから、食中毒のリスクは大きい。そのリスクを減らすために、「つけない」「増やさない」の二原則が守られなければいけません。「殺菌」のために、生魚は真水に弱い腸炎ビブリオを減らすために水道水で洗ったり、肉であれば、枝肉の段階で塩素水を使って噴射・浸漬させたりしていると思いますが、「加熱」ほどの効果はありません。

食中毒原因細菌によって、感染が成立して発症する細菌数が違います。多くの原因菌は、十万単位、百万単位の個数が口に入らないと、発症はしません。が、中には少ない細菌数で食中毒を起こす菌種があります。サルモネラやカンピロバクターは1万個程度で発症しますし、病原性大腸菌にいたっては、100個程度で症状が出ます。生食用食肉の基準が厳しくて、実際には生食用牛肉なるものは存在しないと言われていますが、食肉処理の段階で病原性大腸菌数を安全なレベルで維持するためには、厳しくせざるを得ないことから現行の基準になったはずです。ネットニュースなどでは、「現行の形骸化した基準を緩和しろ」という関係業者の声が載っていましたが、上の理由から、これはありえないと思います。

「なぜ、その基準を守らせてこなかったのか」という行政への批判があります。施設への通常の立ち入り検査(食中毒事件調査以外ということ)は、各自治体の保健所の食品衛生監視員が一名ずつで行います。そこで、生食用食肉として販売されているものを見つけた場合、口頭指導をするでしょう。が、罰則がないため、そこまでです。中には、「罰金でもあるの?」と言ってきたり、「他の店もやってることだ。なんでうちだけ!」と食って掛かる業者もいます。「人気のある食文化を止めさせることは難しい」という話がニュースに出ていたのは、そういう背景もあるのだと推察します。行政が実際に強制力を発揮できるのは、食中毒事件が起こってしまってからの「営業停止・禁止」「回収命令」措置ぐらいです。

以上は、私が食品衛生監視員であった頃に得た基本的な知識を基にした話です。実際の基準はもっと細分化されていますし、私が仕事をしていた頃から変わったこともありますから、現在の情報は厚労省のホームページで検索してみてください。

今、一消費者として考えることを最後に。そもそも、食中毒はいつでも起こっています。ニュースになるのは、飲食店等を原因施設とする「食中毒事件」だけです。だから、食中毒とはお店で起こるものと思っている人も多いと思いますが、実際には家庭での食事を原因とした食中毒も多い。「食事」とは、本来そのままでは口にできないものを口にできる状態にしてから食べるということです。その意味で「食事」には、外食、内食に関係なく、常にリスクが付きまとう。今、清潔になった日本ではそのような意識は忘れ去られていますが、この事件を一契機として、個人で食事のリスクから家族を守る方法を最確認してみませんか。これから気候が暖かくなってきます。今、室内には朝食時に食べたものが、網やスノコをかけるだけでそのまま放置されていませんか?肉や魚を購入後、どこかへ寄り道などして、常温に長く置くことになっていませんか?外食時、その食事は子供に与えてもいいものですか?

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 管理人は仕事、育児および家事にと綱渡り生活を送っております。申し訳ありませんが、いただいたコメントおよびメールについて、個別に返信することができません。ご了承ください。
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by fussyvet | 2011-05-05 12:30 | こうして社会は回ってる

孤立型核家族の妻が勤め人なんて、ほぼ無理だな

 日曜の夜、息子が熱を出し、この3日間、自宅軟禁状態だった。普段、保育園に息子を預け、自宅で仕事をしているからと言って、この3日間も少しは仕事ができたのでしょうと想像されたのであれば、それは大きく違う。熱を出していても、もはや息子はずっと静かに布団に寝ている年齢ではない。身の回りの世話、プラス遊び相手をして、一日一日が過ぎていく。夜は9時には息子と一緒にバタンキューだ。
 うちは、夫婦いずれの実家とも距離が離れた、孤立型の核家族である。ばーばに息子を任せて、仕事に出かけるなんてことができない。子供が病気になれば、大黒柱ではない妻である私が仕事を休んで看病することになる。近所に頼る知人もいない。いたとしても、病気の子供を任せることなどできはしないだろう。

 こうして、典型的な”妻”というものは作られていくのだなと実感する。もし、私が勤め人であったら、3日間連続で「休みます」など言えやしなかっただろう。

 古くからの日本の家族の形、つまり、祖父母、両親とその子供たちという3世代型の世帯は、効率的なものだったのだなと感心する。かと言って、嫁と姑の関係の煩わしさを考えたら、それを羨ましいとは心から思えないのだけど、もし、実母、または仲の良い姑がスープの冷めない距離にいてくれたら、少しは心強かったのかもしれない。

 この3日間は閉塞感にさいなまれた。世の孤独な母親たちはみな、時折こういう思いを抱えつつ、子育てしているはずだ。ときには「助けて」と叫びたくなりながら。

 勤め人なんて、絶対に無理だな。ともあれ、やっと熱が下がってよかった。

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by fussyvet | 2011-01-26 23:29 | こうして社会は回ってる

相変わらず建設業界は予算に巣食ってるのか

大阪府豊中市の曽根南(そねみなみ)町というところに豊島(てしま)公園という公園がある。球場、児童公園、噴水、バラ園などを備えた市民の憩いの場だ。朝夕にはウォーキング、昼間は散歩をする大人、夕刻には友達と遊びまわる小学生たちが集まる多用途の市営公園だ。

この豊島公園にあったバードドームが2009年度を以て、「市の予算不足」を理由に突然閉鎖され、取り壊された。セキセイインコや文鳥、その他の小鳥がドーム型のスペースで飼育され、誰でも中に入って憩うことができた。それが突然「予算不足」を理由になくなったのだ。維持費用と言っても、小鳥の餌代と、シルバー人材派遣によって管理業務を行っている安く雇われた「おじいちゃん」たちの人件費くらいのものだ。「取り壊し決定」の張り紙を見たとき、「大阪府豊中市はよほど予算がないんだな」と思ったし、不審にも感じた。

そうそう、大阪府豊中市と言えば、先日、60代の姉妹がマンションの一室で餓死していたのが発見されたばかりである。「執行官からの相談がもう少し早ければ対策を立てらてたのに、残念」と市の高齢介護課長が言っているから、バードドームを維持できないほど逼迫した予算の中でも、「もう少し早く相談していれば」助けられたのだろうか。ちなみにこの60代姉妹が餓死した住居は、豊島公園の目と鼻の先にある。

ちっぽけなバードドームを廃止し、60代老姉妹を餓死させるほど予算が逼迫した大阪府豊中市の豊島公園内で、現在、大掛かりな児童公園の整備が行われている。多少、古くなってはいたが、まだ使える児童遊具をすべて撤去し、ショベルカーが地面をひっくり返していた。あの児童公園は地面をひっくり返さなければならないほど凸凹ではなかったし、すべての遊具を更新するほど傷んではいなかった。

今は亡き筑紫哲也が、「年度末になると、この国の道路はそんなに頻繁に整備しなければならないほど脆いのかと思わされる」と言っていたのを思い出す。特に談合が盛んな関西地区、ちっぽけなバードドームを廃止し、姉妹を餓死させた自治体において、まだ使用可能な公園の大規模整備工事が行えるというのは、どういった予算の審議と成立に因るものなのか。全く疑問だ。

疑問を持ったらから、豊中市に尋ねてみたい人は、こちら。

大阪府豊中市へのご意見ご質問のページ:http://www.city.toyonaka.osaka.jp/top/sanka/iken/index.html

大阪府豊中市議会のページ:http://www.city.toyonaka.osaka.jp/top/shigikai/index.html

平成22年6月2日現在の大阪府市議会議員一覧:http://www.city.toyonaka.osaka.jp/top/shigikai/giin/index.html

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by fussyvet | 2011-01-21 10:24 | こうして社会は回ってる

まあ、いろいろびっくりしますが

 厚生労働省だかを退職した上層部の人たちが、ご自身のみならず、何の罪もないご家族まで巻き添えになる痛ましい事件があり、「年金テロ」だとか騒いでいたのに、容疑者の自供では子供のころに保健所に犬を殺処分された恨みだとかいう話が出てきて、自分の身に置き換えて震えた。私だって、保健所で動物の引き取り業務に関わったのだ。たまたま私が関わった引き取り依頼者の中には事件を起こすような人がいなかった(いや、変な人もいたけれども)だけで、これを”運の違い”と言わずして何と言おうか?…、まあ、まだ真相は明らかでありませんが。
 と、いうようなことを最近は徒然と思っていて、ここの「徒然」に書き足そうかと思っていたのだけれど、他の人のブログでぶっとぶような文章を見つけて唖然としてしまったので書いておきます。

 確かにね、私が社会人になりたての15年くらい前までは確実に陰陽問わず保健所から大学や研究機関へのイヌ・ネコの払い下げが行われていたし、かの事件の容疑者のイヌも保健所で殺処分されずに研究機関に払い下げられた可能性もあるわけです。だからと言ってですね、もしもの仮定としてではあるけれども、「本当に恨まれるべきは誰だったのか?」と暗に含んだ疑問を投げかけられるのはですね、なんていいますか、恨みの矛先を不特定多数の読み手の恣意的な解釈に任せつつも特定のターゲットに向ける意図が伝わってきて、もっともっと背筋が寒くなるわけです。仮にも殺人事件なわけです。何の罪もない家族まで巻き添えになっているような事件なわけです。もしかしたら、「ターゲットが違っていたら、あなたの家族も…。」という脅迫文まで感じます。あまり深く考えずに書かれたのかも知れませんが、重大な結果を引き起こした事件に絡めて話すにはあまりにも無神経ではないですか?またもし逆に、故意に書かれたものであるならば、私は動物実験反対運動に賛同しようとしている全ての人を徹底的に賛同を思いとどまるよう説き伏せたいと思います。

 私は学生時代に保健所から払い下げられた動物を実習に使わされたし、保健所に勤務したことはあるし、その方がおっしゃるところの”ターゲット”としては全てに当てはまり、逃れられないわけですよ。もし、今回の被害者が本当にイヌの仇討のために殺されたのであれば、私も私の息子も私の夫も私の親兄弟も被害者になり得たわけです。そして、それがもしも「かわいそうな動物たちの仇討のため、自業自得だ。」などと思われるのであれば、私はこの世の一切を信用しないし、すべてを呪うでしょう。特に動物の権利を守るため、そのような殺人すら”死刑”と位置づけて行動することが動物愛護運動であるのなら、私はそのような運動は決して許さない。

 誤解を招くような言動は肝に銘じて慎まれた方が良いと思います。特に重大事件に絡めては。それが悪意であるのなら別ですが。自分たちが持ち合わせている良識が自分たちが疑っている研究者の良識と大差ないと言われても仕方ないことになってしまうでしょう。
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by fussyvet | 2008-11-25 12:02 | こうして社会は回ってる

新日本石油への問い合わせ

 今週の月曜日(2007年10月1日)に個人的に先述記事でスーダンとの石油の取り引きを行っていることが明らかになった新日本石油に以下のような問い合わせをしてみました。


問い合わせ内容 ココから***

 初めて問い合わせさせていただきます。
 今年8月31日金曜日付けSudan Tribune誌を読みました。御社の常務取締役 執行役員 需給本部長兼小売販売本部長であられる中村 雅仁氏が8月30日に今冬、ナイルブレンドを追加供給するようスーダン側と交渉しているとのことですが、失礼ながら御社はスーダンにおけるダルフール紛争についてご存知でしょうか?現独裁政権が盗賊まがいのアラブ系遊牧民を含むジャンジャウィード民兵と連携し、罪のないアフリカ系住民を虐殺しています。現在は反政府軍やアフリカ軍も絡みほとんど泥沼化していますが、スーダン政府が罪のない市民の虐殺に加担したことは明らかで海外ではジェノサイドであるともされている紛争です。御社はそのスーダン政府とビジネスを行っているとのことですが、柏崎刈羽原発の停止により首都圏の電力不足が危ぶまれている現状も理解しますが、他に交渉する国はないのでしょうか?因みに御社は現在ニュースで話題になっているミャンマーとの取り引きに関して「世辞情勢とエネルギービジネスは別々の問題とみなしている」とおっしゃっているようですが、スーダンについても同様の見解をお持ちであると解釈してよろしいでしょうか?スーダンの石油の最大の取引先である中国の石油会社がダルフール紛争に抗議するディスインベストメント運動に遭っていることをご存知でしょうか?日本ではダルフール紛争に関心を寄せる消費者がいないとお思いでしょうか?
 ダルフール紛争では幼児が母親から取り上げられて炎の中に投じられる、銃剣で刺殺される、更には首を切り落とされる、女性は攻撃目的で強姦され、男性は生きたまま去勢され、あるいは目をえぐられ、そんな想像を絶する虐殺が行われているのをご存じの上でスーダンとビジネスを行われるのですか?御社は、その資金により政府軍が購入した武器と兵力で罪のない幼児までもが殺されることに目をつぶれる会社なのですか?
 御社の会長は経団連の副会長でもあられるが、利益になることについては政治情勢を利用するが、不利益なことについては「政治情勢とビジネスは別」と二枚舌を使われるのでしょうか?
 是非、ミャンマー、そしてスーダンとの取り引きについても熟考し、リーダーである企業として真の企業倫理とは何かを示して下さることに期待します。そうでなければ、御社についても中国国営企業に対する海外の”負の投資運動”が他人事ではないことを理解された方が良いと思います。

ココまで***


 かなり辛辣な文章になりましたが、3日後に以下のような返信がきました。


返信内容 ココから****

 ○○ ○○様、
平素よりENEOSホームページを閲覧いただきまして誠にありがとうございます。
お問い合わせにつきまして下記の通り回答させていただきます。
 
 現在のスーダンの悲惨な人道状況につきましては、大変憂慮すべき状態にある
ものと認識しており、深く懸念するものであります。
 スーダン原油と同品質の原油の供給量は全世界でも限定的であり、代替品の
確保は容易ではありません。弊社は、わが国のエネルギー安定供給に配慮しつつ、
当該原油の購入量削減に向け、まさに検討しているところでございます。何卒ご了
解くださいますようお願い申し上げます。

今後ともENEOSホームページをご愛顧いただきますようよろしくお願いします。
                         
*******************************************
新日本石油株式会社 お客様相談室
              ○○ ○○
〒105-8412 東京都港区西新橋一丁目3番12号
TEL:0120-56-8704(コールエネオス)
*******************************************

ココまで***


 ある程度予想された内容の返事でしたが、無視しようと思えば無視することも可能だったでしょうにきちんと返事をもらったことを肯定的に受け止めています。また、返信までに3日間かかったということは担当者どまりではなく、上司にも内容について相談がいったかも知れません。このような消費者や投資家の声が多く聞かれるようになったのなら、当該企業としてもいろいろと考慮してくれるかも知れないと期待しています。

 私が意見を送ったのは、「お問い合わせ」ページ「株主・投資家情報について」の送信フォームからですが、同上「お問い合わせ」ページの最下部にある「その他」でもいいかも知れません。送ってみようと思われる方は意見を送ってみて下さい。上の駄文を参照していただくのは光栄ですが、できればご自身の言葉にアレンジしていただいた方が事務的でなく効果的であると思います。また、丁寧な言葉でないと誠意も伝わらないと思いますし、誹謗中傷は逆効果であると思いますことを付加させていただきます。

 またSudan Disinvestmentという組織がかかげるスーダン政府と取り引きのある企業のランキングがあるのですが、これによれば、Sudan Tribuneで明らかになった新日本石油が分類されているカテゴリーよりも悪い分類(一番悪い分類)に三井造船の名前が挙がっています。また、新日本石油と同じカテゴリーに他の会社名も見られます。三井造船がどのような形で関わっているのかまだ分からないのですが、とりあえず国内では新日本石油だけではなかったということだけ付け加えさせて下さい。

 個人的には地震で原発が停止し、電力需要に追いつかせなくてはいけないという会社の立場も理解できます。また、現在のダルフールの状況はスーダン政府や中国に対する圧力だけではなく、国連の介入による停戦監視や和平協議が最重要であるように思えます(機会があれば後日ニュースで流したいと思っています)。ジャンジャウィードをバックアップし、空爆を続けるスーダン政府への資金流入を止めるだけでは全面的解決にはつながらないのですが、少なくとも罪のない住民を殺すための武器を政府が禁輸措置を破って買い続けるのを阻止するのには有効であると思われます。
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by fussyvet | 2007-10-06 21:21 | こうして社会は回ってる

スーダン、ミャンマー、そして日本の石油会社と電力事情

 まずはSudan Tribuneからの転載・和訳(by fussyvet)です。

Nippon Oil asks Sudan for additional Nile Blend for Dec-Jan
Friday 31 August 2007 04:30.

日本石油、スーダンに12月-1月ナイルブレンドの追加を依頼
2007年8月31日金曜日4時30分

August 30, 2007 (TOKYO) — Japan’s largest refiner, Nippon Oil, is holding talks with Sudan to see if it can get additional supplies of Sudanese Nile Blend to meet an anticipated increase in demand from Tokyo Electric Power Co (Tepco) for the winter season, Masahito Nakamura, senior vice president for Nippon Oil, said Wednesday.

2007年8月30日(東京)-日本の石油会社の最大大手新日本石油は予想されている東京電力からの冬季需要増加に対応するためスーダンのナイルブレンドの追加供給見込みをスーダンと折衝していると水曜日、同社常務取締役 中村 雅仁氏が語った。

"We have begun talks with local utilities to see how much additional fuel they would need for the winter demand season," Nakamura told Platts on the sidelines of a press conference in Tokyo. "We are also talking with Sudan to see how much additional barrels of Nile Blend we can get over December-January."

「私どもは冬季需要期に必要な追加量を査定するため各公共施設との会議を開始しました。」
中村氏は東京での記者会見の際にPlatts(この記事の記者)に語った。
「12月から1月まで追加可能なナイルブレンドの量を査定するため、スーダンとも折衝中です。」

The company currently imports around 70,000-80,000 b/d of the Sudanese crude.

同社は現在スーダンから原油約7万~8万 b/d を輸入している。

Nippon Oil’s approach comes on expectations that Tepco’s fuel procurement will spike, as the utility was forced to shut its largest nuclear power plant July 16 following a major earthquake.

日石の申し入れによれば、東京電力が大地震発生により7月16日に最大の原子力発電所を閉鎖せざるを得なかったことにより、東京電力からの燃料買い上げは急増すると見込まれるという。

Tepco’s nuclear power generation capacity has more than halved, falling to 6.44 GW from just seven units, compared with a normal nuclear generation capacity of 17.31 GW from 17 units across Japan, after it shut the earthquake-damaged 8.21 GW Kashiwazaki-Kariwa nuclear power plant in northwestern Japan.

東京電力は日本北西部にある8.21ギガワットの柏崎刈羽原子力発電所を地震被害により閉鎖して以来、通常日本国内の17基から17.31ギガワットあったの原子力発電能が半分以下に落ち込み、たった7基による6.44ギガワットしかないという。

The drop in its nuclear power generation has forced Tepco, Japan’s biggest utility, to boost its thermal power generation, using feedstocks such as direct-burning crudes, low sulfur waxy residue, low sulfur fuel oil, LNG and coal.

原子力発電の減少により東京電力の最大施設は直接燃焼原油、低硫黄残渣油、低硫黄燃料油、LNGおよび石炭などの原料を利用する火力発電の増加を余儀なくされた。

Japan’s winter power demand season typically lasts from December through March.

日本の冬季電力需要期は通常12月から3月いっぱい続く。

(Platts)


 日本の電力事情はダルフール紛争に関係なく石油を要求します。他によりどころがなかったのかも知れません。しかし、以下のミャンマーとの関係についての当該石油会社のコメントを読むと、会社、ひいては日本という国の体質であり、ダルフール紛争に関して中国ばかり責めていられないのかも知れないと思わされます。以下の記事ではアメリカ、フランス、中国と並んで日本、韓国、マレーシア、インドなども非難されています。

元記事
Global firms provide lifeline to Myanmar's junta
上記の一部和訳
2007/9/30国内 ミャンマー第二ダルフール説

 新日本石油など大手であれば、当然政府要人とも関係があるでしょう。因みに新日本石油の現会長は経団連の副会長の一人です。アメリカでは、スーダンにオイル利権を持つ中国の会社に投資している企業や個人に対し、投資を止めるよう求める運動が功を奏してきているというニュースもあります。一個人としてできることは、日常生活でも省エネにつつ国内の石油会社に対して上記にあるように「政治情勢とエネルギー・ビジネスを別々の問題とみなす」などと言わず、紛争により虐殺など生じている国との関係を再考して下さるよう請願することでしょうか。

☆ダルフールの惨状が映像でわかります。
2005年7月9日放送NHKスペシャル「アフリカゼロ年 第1回 ジェノサイドを止めるのは誰か」 by ニコニコ動画(要登録)

☆ダルフール紛争で惨殺されている子供たちを救うための各種署名にご協力下さい。
Globe for Darfur
国連日本代表部への嘆願書送信について

☆駐日スーダン大使館へダルフール紛争解決に向けた要望を送る1クリックアクションにご協力下さい。
アムネスティ

☆ダルフール紛争に関する募金サイト
国連難民高等弁務官事務所(こちらは資金不足が深刻で、ダルフールが援助縮小の危機にあるそうです(参考))
日本ユニセフ
国境なき医師団
オックスファム・ジャパンのスーダン緊急支援

Special thanks to ダルフール・ニュース
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by fussyvet | 2007-09-30 22:15 | こうして社会は回ってる

中国利権

 ダルフール紛争について国内の主要メディアが積極的に報道しないのは、スーダンという地域が日本の外交にとって親密な関係ではないという理由だけではなく、中国利権が絡んでいるのだろうとこれまでの経験から推察し、「中国利権の真相」なる本の購入を考えて検索していたら、もっと興味深い情報を得た。

「北京五輪を支援する議員の会」

 宝島社の「中国の黒いワナ」に掲載されていたものだが、この掲載に際して同社編集部に「リストの公表は控えて欲しい。」という圧力がかかったという曰くつきのものだ。そうそうたる面々。この人たちにダルフール紛争について問い合わせし、得られた結果を順次公表していこうと思う。
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by fussyvet | 2007-08-31 00:12 | こうして社会は回ってる

女が男を愛する時~ダルフール紛争に絡めて

 ちょっとビールが入っているので軽めに。

 「er 緊急救命室」というアメリカのドラマがある。もう10年以上前からNHKのBS2と、それよりやや遅れてNHK総合でも放映しているのでご存知の人も多いかと思うが、私はこのドラマが大好きだ。最初に偶然真夜中に見て以来、自分自身が大学附属家畜病院に研修生としていた頃の様子を重ねて、「もしも自分が地方公務員になどなっていなかったら。」という仮定の自分を重ねてのめり込んだ。
 そのドラマの中で、女ったらしの小児科医がいる。彼が女ったらしであるのも、小児科医であるのも、自分の生い立ちからくる理由があってのことだが、私はこの女ったらしが大嫌いだった。そして、とても単純なのだが、それを演じる役者、ジョージ・クルーニーもあまり良い印象を持っていなかった。
 が、もう今や彼を愛してしまった。自分が有名であることをこういうことに利用できるなんて、最近流行りの日本の”セレブ”にも是非真似してもらって、本物の”セレブ”になって欲しい。
 お願い。宝石や豪邸や毛皮を見せびらかしている間に、他のことにも目を向けて欲しい。自分自身を利用して欲しい。

(Vol.16)ジョージ・クルーニーのインタビュー:ダルフール問題
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by fussyvet | 2007-08-12 23:15 | こうして社会は回ってる

ミア・ファローの寄稿

2007年3月28日「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
和訳 by fussyvet

The 'Genocide Olympics' 「虐殺オリンピック」

RONAN FARROW, MIA FARROW

"One World, One Dream" is China's slogan for its 2008 Olympics. But there is one nightmare that China shouldn't be allowed to sweep under the rug. That nightmare is Darfur, where more than 400,000 people have been killed and more than two-and-a-half million driven from flaming villages by the Chinese-backed government of Sudan.

「一つの世界、一つの夢」、2008年五輪に向けた中国のスローガンである。しかし、中国には知らぬふりを許されぬ悪夢がある。その悪夢とはダルフールだ。これまでに中国が支援するスーダン政府により40万人以上が殺害され、250万人以上が村から焼け出された。

That so many corporate sponsors want the world to look away from that atrocity during the games is bad enough. But equally disappointing is the decision of artists like director Steven Spielberg -- who quietly visited China this month as he prepares to help stage the Olympic ceremonies -- to sanitize Beijing's image. Is Mr. Spielberg, who in 1994 founded the Shoah Foundation to record the testimony of survivors of the holocaust, aware that China is bankrolling Darfur's genocide?

多くのスポンサー企業がオリンピック開催期間中、これらの残虐非道行為から世界の目を背けたがっているということも最悪だ。スティーブン・スピルバーグ監督のようなアーティストの決定にも同じくらい失望する。彼はオリンピックセレモニーの演出を手助けする準備をしているため、今月秘かに中国を訪れた。北京のイメージを潔白なものにするためだ。彼はホロコーストの生存者の証言を記録するため1994年にShoah基金を設立したが、中国がダルフールの大虐殺に資金提供していることをご存知なのだろうか?

China is pouring billions of dollars into Sudan. Beijing purchases an overwhelming majority of Sudan's annual oil exports and state-owned China National Petroleum Corp. -- an official partner of the upcoming Olympic Games -- owns the largest shares in each of Sudan's two major oil consortia. The Sudanese government uses as much as 80% of proceeds from those sales to fund its brutal Janjaweed proxy militia and purchase their instruments of destruction: bombers, assault helicopters, armored vehicles and small arms, most of them of Chinese manufacture. Airstrips constructed and operated by the Chinese have been used to launch bombing campaigns on villages. And China has used its veto power on the U.N. Security Council to repeatedly obstruct efforts by the U.S. and the U.K. to introduce peacekeepers to curtail the slaughter.

中国は何十億ドルもスーダンにつぎ込んでいる。北京はスーダンの年間石油輸出のほとんど全てを購入し、次期五輪の公式共同出資法人である国営のChina National Petroleum Corp. がスーダンの二大石油共同事業体のそれぞれについて最大のシェアを占めている。スーダン政府はこれらの売り上げから得られた収益の80%相当を残虐なジャンジャウィード代理民兵に資金提供し、爆弾、攻撃用ヘリコプター、装甲車、小火器など破壊道具の購入に利用しており、ほとんどは中国製品だ。中国人により建設され運営されている滑走路は村落への爆撃開始に使用されてきた。そして、中国は国連安全保障理事会にて拒否権を行使し、虐殺を抑えるために平和維持軍を導入しようとしたアメリカとイギリスの努力を何度も妨害してきた。

As one of the few players whose support is indispensable to Sudan, China has the power to, at the very least, insist that Khartoum accept a robust international peacekeeping force to protect defenseless civilians in Darfur. Beijing is uniquely positioned to put a stop to the slaughter, yet they have so far been unabashed in their refusal to do so.

スーダンにとって必要不可欠な数少ない支持国の一つとして、中国は少なくともハルツームに対し、無防備なダルフール市民の保護を目的としたロバストな国際平和維持軍を受け入れるよう要求する力を持っている。北京は虐殺を止める比類なき位置にあるにも関わらず、これまでずっと臆面もなくそれを拒否し続けている。

But there is now one thing that China may hold more dear than their unfettered access to Sudanese oil: their successful staging of the 2008 Summer Olympics. That desire may provide a lone point of leverage with a country that has otherwise been impervious to all criticism.

しかし、現在中国にとってスーダンの石油への自由なアクセスよりも大切なことが一つある。2008年夏のオリンピックを成功させることだ。その欲望が他のあらゆる批判に鈍感な国に対する唯一の影響力となる。

Whether that opportunity goes unexploited lies in the hands of the high-profile supporters of these Olympic Games. Corporate sponsors like Johnson & Johnson, Coca-Cola, General Electric and McDonalds, and key collaborators like Mr. Spielberg, should be put on notice. For there is another slogan afoot, one that is fast becoming viral amongst advocacy groups; rather than "One World, One Dream," people are beginning to speak of the coming "Genocide Olympics."

その機会が利用されるか否かはこのオリンピックの知名度の高いサポーターの手に委ねられている。ジョンソン&ジョンソン、コカ・コーラ、ゼネラルエレクトリック、マクドナルドなどスポンサー企業、およびスピルバーグ氏などの鍵となる協力者に警告しなくてはならない。「ひとつの世界、一つの夢」以外に、擁護団体の間ではウイルスのように速やかに広がっているもう一つのスローガンが進行中である。人々は来るべき「虐殺オリンピック」について語り始めているのだ。

Does Mr. Spielberg really want to go down in history as the Leni Riefenstahl of the Beijing Games? Do the various television sponsors around the world want to share in that shame? Because they will. Unless, of course, all of them add their singularly well-positioned voices to the growing calls for Chinese action to end the slaughter in Darfur.

本当にスピルバーグ氏は北京五輪のLeni Riefenstahlとして歴史に名を残したいのだろうか?世界中のさまざまなテレビスポンサーはそのような不名誉を分かち合いたいのだろうか?彼らがそれを望んだからである。もちろん、ダルフールでの虐殺を終わらせようと中国に行動を求める声が高まっている中に、全スポンサー自身が非常に良い位置からの声を届けなければの話である。

Imagine if such calls were to succeed in pushing the Chinese government to use its leverage over Sudan to protect civilians in Darfur. The 2008 Beijing Olympics really could become an occasion for pride and celebration, a truly international honoring of the authentic spirit of "one world" and "one dream."

そのような声が中国政府に対し、ダルフール住民を守るためにスーダンへの影響力を利用するよう後押しすることが成功したならばどうだろう?2008年北京オリンピックは真に誇りと称賛の場となり、「ひとつの世界」と「ひとつの夢」という真の精神の、本当に国際的な名誉となるだろう。

Mr. Farrow, a student at Yale Law School, traveled to Darfur as a UNICEF spokesperson in 2004 and 2006. Ms. Farrow, an actor, has traveled twice to Darfur and twice to neighboring Chad. She has recently returned from Darfur's border with the Central African Republic.

Mr. Farrowはエール大学法学部の学生であり、ユニセフのスポークスパースンとして2004年と2006年にダルフールを訪れた。 Ms. Farrowは女優であり、ダルフールを二度、また隣接するチャドを二度訪れた。最近、ダルフールの中央アフリカ共和国との国境付近から帰国したばかりである。
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by fussyvet | 2007-08-09 14:19 | こうして社会は回ってる

ダルフールへの一斉募金

 mixi内で、ダルフールの人たちのためにユニセフへ一斉募金しようという試みがあります。mixiやってらっしゃる方はご参照の上、よろしければご参加下さい。

http://mixi.jp/view_event.pl?id=21269472&comment_count=26&comm_id=95578
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by fussyvet | 2007-07-31 11:55 | こうして社会は回ってる