ヒヨコと動物実験と民意

 文面からして10代か20代の若い人だと思いますが、次のようなメールをいただきました。

「こんにちは。はじめまして。
 動物実験の実態を知り、動物たちがかわいそうで、新聞で知った、○○さんの活動を調べていくうちに、「△△」というブログで、こんな記事を知りました。
(特定のURL)
『東京の国際畜産見本市や各地の農場を見学する。一片の土も太陽もない工場に押し込められた、例えばヒヨコたち。過密状態だと気がたって傷つけ合う。それを避けるためにヒヨコの流れ作業でくちばしを折られていく。おびえて小さな目をつぶるヒヨコ。ときに機械は誤って舌を切り落としてしまうこともある。小さなヒヨコの大きな絶望。』
 私は鳥が大好きで、インコを飼い続けています。このようなこんなことは本当にあるのでしょうか?鶏がお互いにつつかないように、くちばしを焼き切る所があることを知っただけでもショックでした。やめさせる方法はないのでしょうか?考えるとかわいそうで眠れなくなります。
 動物実験についてですが、「動物実験は人間の大罪」とありますが、本当にそう思います。私はシャボン玉せっけんを使い、洗剤を使わないアクリルタワシを使用し、動物実験をしていない会社の製品を使うようにしています。
 また、本で読んだのですが、肉を食べると、動物たちの苦痛で苦しい怨念が、そのまま人間の体に入るといいます。私はそれを読んでから、肉は出来るだけ食べないようにしています。
 動物実験を廃止したり、ひよこの幸せに私に出来る具体的なことはないのでしょうか。教えてください。」

 このメールの送信者、彼女がその実態を知って動物たちがかわいそうになった動物実験というのがどんな内容のものだったのか分からないが、とにかく、それがきっかけでいろいろと関心を持ちつつ調べられたのでしょう。
 このメールに書かれてあるヒヨコのくちばしを切る作業は実際に行なわれていることです。採卵鶏であれ、肉鶏であれ、放し飼いでなく、ケージに複数羽ずつ入れて飼育する一般的な飼育法では、同じケージに入れられた鶏同士が突きあわないようにくちばしを切らねばなりません。卵や鶏肉を今の価格で、近所の販売店で購入することを諦めない限り、やめさせる方法はありません。卵や鶏肉の値段が上がっても構いませんという消費者が増えて、それが「民意」となれば別の話ですが、今のところ、そのような傾向を日本で感じたことはありません。
 それから、動物実験についてですが、「動物実験は人間の大罪」という言葉はアニマルライツの思想を持つ人や団体のホームページなどに書かれているものですが、上のヒヨコの話と同様、今のように病院へ通って、薬局で薬を購入すること、それから、今の価格で石鹸、洗剤などを購入することを諦めない限り、動物実験を減らすことはできても全廃にすることはできません。新しい治療方法や薬、石鹸・洗剤はもう要りませんという消費者が増えて、それが「民意」となれば別の話ですが、今のところ、そのような傾向を日本で感じたことはありません。
 状況を変えるのは「民意」です。民意は、保守的な考え方であれ、革新的な考え方であれ、どちらかの考え方に大勢の人、つまり、一般大衆が大きく傾いたときに決定されます。今のところ、ヒヨコや動物実験に対して一般大衆はそれほど関心を持っていません。少しでも多くの人が関心を持ってくれるといいですねとしか、私には答えられません。

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by fussyvet | 2010-01-22 13:08 | 動物
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