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個人的な関心事の変化と現在の状況に関する一考察

 若いころ、そしてつい最近まで私は日本が嫌いで、アメリカとか欧州に憧れ、どこかに移住したいと思っていました。しかし、今は現在住んでいるこの場所でよい、私はこの国で幸せに生きられると感じています。外国に住んでみたい気持ちはありますが、それは今までのような憧憬ではなくて、単純な好奇心の一つに過ぎません。

 私に動物を取り巻く問題に関する記事を期待してくださっている方々がいらしたなら本当に申し訳ありませんが、最近の私は動物のことよりも人間の方に興味が移ってきています。2008年11月より動物についての記事を別のブログで更新することにしたことは告知済みですが、そちらのブログでさえなかなか更新していません。以前から「人間同士の問題すら解決できていない状況で動物のことまで解決するには至らない。」と思っていましたが、子供を生んでからますますその思いを強くしています。息子を生んでから最初に触れたのはスーダンのダルフール地方におけるアフリカ系住民の虐殺についてでした。多分出産後間もない女性はたいていそうであるように、とても精神的に敏感になっていた私は非道な民兵により残酷に殺される子供たちに関するレポートを読み、我が子に起こったことのように受け止め、以来ずっとその紛争について情報を追い続けています。最近ではガザ地区へのイスラエルの攻撃があったため、それの情報を集めては自分が管理する英語のブログにも掲載していました。するとそこへアメリカの右派およびシオニストと思われる人々からのコメントが殺到して炎上してしまったことは以前のブログにも書いたとおりです。
 その際に感じたことは、独善的なシオニストとアメリカ右派の恐ろしさでした。彼らの中で自分たちの主張は全て正しく正義であり、自分たちが起こした戦争は自衛のための戦争であり、そしてアメリカが日本に落とした原爆は必要で戦争を終わらせて犠牲者をさらに増やさないためには正しかったというものです。今、彼らにとっては敵はアラブ諸国であり、イスラム教徒であり、それらから派生した”テロリスト”でした。
 ”テロリスト”、それから一部のイスラム教聖職者が仕切る国の刑罰は確かに残虐です。しかし、長い歴史の中でたった100年ほど前までアメリカはアメリカの原住民に同じことをしていたし、ヨーロッパも残酷な刑の執行をしていました。悪いのはアラブの人でも他の民族でもなく、どんな民族の中にもいる残酷な人たちです。もっと言えば、誰しも究極の状況下では残虐になりうる。ナチスに虐殺されたユダヤ人もその一部は大戦が終わってまだ数年しかたっていない1948年にパレスチナ人に対して身の毛もよだつ虐殺をしているし、ベトナムではアメリカがソンミ村で罪のない人々を殺しているし、日本人だって大戦が終わったにもかかわらず国内で同じ日本人を虐殺している。
 この一か月、私の頭の中はイスラエルとそれを支持するアメリカへの憎しみでいっぱいでした。時期悪く手元にツタヤから「シンドラーのリスト」のDVDが郵送されてきましたが、しらじらしくてそれを見ることもできなかった。そんな感情を修正するため、イスラエルを非難するユダヤ人団体を探し、アメリカの感動ものの映画を見ました。自分の中に怒りだけを占有させておいてはいけないと思ったからです。そして、何とかまた平常心に戻ることができました。
 今あらためて思うのは、戦争というのは政治的なものであるということ。政治家とか特定の組織のリーダーが起こすものであって、そこへ一般市民の思いや苦しみは全く加味されません。それに心痛める人はアメリカ人であっても、ユダヤ人、韓国人、中国人、日本人、アラビア人であっても、戦争の中でどうしようもない悲しみと怒りにもだえる人たちのため声を上げずにはいられない人がいるのであって、私はそういう人を、どこの国の人でどこにいても応援したいと思いました。
 そして、何よりも大切なのは今ある生活の中で接する人、家族、大切な友との関係を楽しみ大事にすること。

マザー・テレサの言葉
「(世界平和のためには)帰って家族を大切にしてあげて下さい。」

 紛争を起こさないようにすること。そのためのお金の使い方、リーダーの選び方をもっともっと学びたい。
by fussyvet | 2009-02-14 00:50 | 徒然
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