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憶測での「言論の自由」の利用

 権利や自由を主張するには、それに見合うだけの責任が伴うはずだ。そうでなければ、民主主義はただの暴徒の塊にしかならない。

 いろんな事件を起こす人間がいるが、その犯罪が起こってしまった理由にはその犯罪者の内的素質とその素質を増幅してしまった人間関係や体験など負の環境因子、そして抑制因子の不在が関わっているだろう。まあ、こういう分析能力が他国に比べて日本がどうなのかは知らないが、そんな犯罪者を作ってしまった環境因子は一つではないだろうと思う。

 一方の言い分だけとりあげて、それを「それが本当なら」と話を続け、結局は自分の思いに見合った方向に話を持っていくことはどんな主義主張を持つ人であっても見られることだけれども、そんなことばかり続く人を個人的に見ていると、もうがっくりと肩を落とさざるを得ない。

 保健所にもとんでもない人間もいたが、良心的な同僚も多かった。私の昔の良き同僚たちが、今回のこの痛ましい事件をどう捉えているか…。聞く機会があったら聞き、「動物愛護運動に携わっている人がこんなことを言っているが、どう感じるか?」と感想を聞き、それらが実現したらここにアップしたいと思う。

 犯罪者を作り出す要因は一つじゃない。犯罪を犯してしまった者の心の根底にあるものも一つじゃない。本人がどう言おうが、潜在意識はあるし、ましてや間に人を介していればそれが簡単に偏向されるものであることは経験を積んだ成人なら知っていることだ。己の主義主張はそんなことすら考慮に入れられなくするほど脳を占有するものか?
 子供に限らず、家族が愛している動物を黙って保健所に連れてくる人にはそれぞれに理由がある。連れてきた家族が悪いことだってある。その後、家族がクレームをつけてきたケースは私自身は経験はないが、そうならないように現代はどこも慎重にしているだろう。仮に馬鹿な職員が対応を間違えてしまったとしても、それだけが犯罪者を生み出してしまう唯一の要因ではないだろう。私が憤慨しているのは、いろいろな可能性が考えられる事象を取り上げて、自分たちの主張に見合うように犯罪報道すら偏向して利用してしまうこと、そしてそれが及ぼす影響についてその危険性と合わせて全く理解していないことだ。
 自分の主張を大切にするあまりに他人を傷つけるような言動は厳に慎むべきだ。その主張が大切であるのならなおさらだ。それにより間接的に困るのは言った本人じゃない。その本人が守ろうとしているものだということに気付かないことが本当に歯がゆい。
by fussyvet | 2008-11-28 11:15 | 徒然
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