動物実験計画書の内容は守られているか?

 私が所属しているのは厚生労働省の研究機関だ。9カ月間に新規採用で続いているのは私を入れて2名、円満退職者1名、残りの5名は”非”円満退職者だ。日雇いやら派遣労働やら労働者の待遇改善が叫ばれている今日、当の厚生労働省の管轄機関ですら”灯台下暗し”なのかびっくりである。こういうことに興味のある議員に訴えれば一発だろう。人間に対する処遇がこのざまななのに、動物に対する処遇など想像できるだろう。
 医者である上司は獣医師である私のスキルを”安く”使う。言葉では持ち上げられるけれど、待遇は下にも書いたとおり冷たいものだ。まあ、それでも同じ地域にパートで実験をさせてくれるところなどそうそうないし、我慢している。が、動物に対する扱いについては我慢できない。小さな抵抗もさせてもらうこともある。
 うちの上司には動物実験計画書の意義であるとか、動物の福祉であるとかいう考え方は一切ない。実験後マウスへ鎮痛剤を投与することが科学雑誌の論文審査に重要視されてきていることを知らなかったこと、「とりあえずやってみよう。」という言動、そして私の”使い方”などから推察できる。とにかくデータを出さなければいけない立場はわかるが、これで動物実験をしてはいかんだろう。

 HS財団が第三者認証機関を発足させようとしているが、アニマルライツ*に”狙われている”と聞いた。何がどう狙われているのか知らないが、私は徹底的にやればいいと思う。日本の動物実験はほとんどが無法地帯だ。もちろん、叩く側にそれなりの礼儀とブレインが必要だが(感情論、勢いだけではお話にならないし、動物の福祉を後退させるぞ)、何か起こらないとこの国の研究者は変わらない。目の前のことにとらわれざるを得ない現状と弱い者への配慮のなさが残念ながらそうさせている。
 イギリス2007年内務省のレポートによれば2007年マウスの実験は増加傾向に、霊長類の実験は減少傾向にあるという。霊長類の実験利用は各種動物愛護団体から批判が高まっているため、どんどん使用しにくくなっている。スイスでは霊長類への実験を停止する地裁判決(まだ係争中)が出ている。叩かれなければ減らないのが残念だが、研究者の倫理観が現状である限りいた仕方あるまい。

*”動物の権利”を大前面に押し出した過激な動物愛護活動家・団体
[PR]
by fussyvet | 2008-07-31 16:27 | 動物
<< 依存癖と神のいますところ 我が身を哀れに思わずにはいられ... >>