必死にまやかそうとする中国の態度

 昨日の記事に出てきた月曜日のスーダン政府軍による一般住民居住地区に対する空爆について、諸外国のニュースでは政府軍、反政府軍双方の攻撃が終わらないと来月10月に予定されている和平会議も失敗に終わるという見方も出てきています。
 本日はダルフール紛争に関する中国の態度についての記事です。

Coalition for Darfurより転載・和訳(by fussyvet)

2007年9月11日火曜日
ダルフール: 中国、役割を強調
DPAより

China's top diplomat on African affairs said Tuesday his country and the United States are still at odds on ways to resolve the ethnic conflict in the western Sudanese region of Darfur. "The US government appreciates the Chinese stances on the Darfur settlement and has made appropriate remarks, but on specific issues, there remain some differences, particularly in deciding priorities" to tackle the conflict, said Chinese Ambassador Liu Guijin at UN headquarters in New York.

 中国の対アフリカ外交最高責任者はスーダン西部のダルフール地域で起こっている民族紛争の解決方法について自国とアメリカの意見が一致していないことを明らかにした。
「アメリカはダルフールの和平に対する中国の姿勢を高く評価し然るべき発言をしてきたが、具体的な問題、特に(紛争に取り組むための)優先事項の決定に際してはまだ相違点が残っている。」
中国大使Liu Guijin氏はニューヨークの国連本部で語った。

Liu said cooperation and communication at government levels remain "very good" between the two countries until they get down to what he called specific issues. But he did not elaborate during a press conference to discuss China's role in Sudan.
China has been criticized for not using its clout on the Sudanese government to stop the ethnic killing in Darfur. China does not agree with the death toll in Darfur, which has been estimated at more than 300,000 dead since 2003.

 Liu氏によれば、同氏が言う具体的な問題に取り掛かるまでは両国の政府レベルでの協力とコミュニケーションは「とても良好」であったという。しかし、スーダンにおける中国の役割を話題にした記者会見では詳細について語らなかった。
 中国は、ダルフールでの民族的虐殺を食い止めるためにスーダン政府へ強い影響力を持ちながらそれを行使してこなかったと批判されている。中国は、2003年以来30万人を越えると見られるダルフールでの犠牲者数を認めていない。

But Liu said China was singled out in Sudan where many European and Asian countries have larger economic stakes than China. He said French and British oil companies have larger investments, but have escaped media scrutiny.
Liu visited Washington last week before New York and he said US Congress representatives he talked to still harboured "some misunderstandings" about China's role in Sudan. But he said those US legislators acknowledged China's "unique" role in Darfur.

 しかし、Liu氏によれば、スーダンでは欧州やアジアの多くの国が中国よりも大きな経済的利害関係を有しているにも関わらず、中国だけが特別に非難されているという。フランスとイギリスの石油会社がより大きな投資を行っているが、マスコミの目を逃れているという。
 Liu氏はニューヨークの前に先週ワシントンを訪れ、彼が話をしたアメリカ連邦議会議員は未だにスーダンにおける中国の役割について“誤解”を持っていると語った。しかし、これらのアメリカの国会議員はダルフールにおける中国“独自の”役割について認めているともいう。

"They hope that China can do a little more to end the conflict in Darfur," Liu said, adding that some US non-governmental organizations (NGOs) involved in relief work in Sudan also voiced similar demands, using the Summer Olympic Games in Beijing in 2008 as backdrop to pressure China to end the Darfur conflict.

「ダルフール紛争終結に向けて中国はもう少し何とかできるだろうと期待している。」スーダンで支援活動を行っているアメリカの非政府組織(NGO)も2008年夏季北京オリンピックをダルフール紛争終結のための中国へ圧力をかける背景として利用しながら、同様の要求を突きつけていると付け加えた。

"They do not want to boycott the Olympics, they just want to use it to pressure China," Liu said.
"The Olympics and Darfur are two totally different issues," Liu said. "We strongly oppose the linkage and we are not afraid to do so."

「彼らはオリンピックをボイコットしたいわけではなく、中国への圧力として利用したいのだ。」
Liu氏は言う。
「オリンピックとダルフールは全く別の問題だ。我々はそのこじつけに断固反対するし、恐れてはいない。」

Liu spent two days at UN headquarters to discuss China's participation in UN peacekeeping operations in Sudan and other African nations, but also to try to change the perception of his country's involvement in places where conflicts have resulted in high civilian casualties.
"China's oil exploration in Sudan does not mean that we support the killing of people in Sudan," Liu said. "I hope anybody with objective judgement can see it."

 Liu氏はスーダンと他のアフリカ諸国での国連の平和維持活動への中国の参加について議論するため国連本部にて2日間過ごしたが、紛争が一般住民から多くの負傷者を出す結果になった地域における中国の関与についての認識を変えるためでもあった。
「スーダンでの中国の石油探査がスーダンの人々に対する殺戮の指示を意味するわけではない。客観的に判断できる人々が状況を理解してくれることを祈っている。」
Liu氏は言った。


 この駐米中国大使が言うように北京五輪に対する圧力をダルフール紛争解決に用いることについて批判する人もいます。しかし、アフリカ系住民を虐殺している民兵組織にスーダン政府が加担しており、更にそのスーダン政府に資金と武器の提供を行ってきたのは中国政府です。住民の銃撃するのに用いられている武器はほとんど全てが中国製。もっと悪いことに、中国は国連の常任理事国であるという立場を利用して、これまでに平和維持軍の派遣やスーダン政府への勧告についての決議に拒否権を行使し、ことごとく潰してきました。ダルフール紛争に巻き込まれている罪のない住民に誰の助けも入らぬまま4年も続き、泥沼化させてきた責任の一部は中国のこうした”無視”が間接的に加担してきたことは明らかで、この4年間、NGOなどの非難に知らん顔してきたために北京五輪が「虐殺五輪」と銘打たれるまでになった。この過程を中国政府は責任転嫁せず自分自身の責任として重く受け止めて行動するべきだと思います。
 誰もオリンピックに向けて頑張っている選手たちの夢を潰したくて非難しているわけではないだろうと思います。アフリカ系住民だというだけで4年間もの間顧みられず、腕に抱いた赤ん坊の首をはねられ、あるいは銃剣で突かれ、背負っていた子供を空からの銃撃で打たれ、子供を炎に投じられ、自身の目をくり貫かれ、何度も強姦され、難民キャンプについてもガリガリに痩せた子供は手遅れで亡くしてしまう、そんな地獄の中に誰にも知られず放っておかれた人たちの絶望を思ったら、あらゆる非難を無視してきた国に指揮された五輪に”平和の祭典”としてこのまま浮かれることなどできない。そんな思いだろうと思います。

☆ダルフール紛争で惨殺されている子供たちを救うための署名にご協力下さい。
Globe for Darfur
Petition the International Olympic Committee

☆ダルフール紛争に関する募金サイト
日本ユニセフ
国境なき医師団
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by fussyvet | 2007-09-12 12:01 | 世界の話
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