2007年7月20日金曜日の早朝付けで、以下のようなメールをもらった。
こんにちは。私は●●(北米のある地)に住んでいます。特にヒッピーとヤッピー(バークレー系の人たち。ヒッピーの真似をして自然志向だけれども実はお金持ちのお坊ちゃまお嬢様たち)がたくさんいて菜食主義を気取っています。myhomepageを見たのですが「子供にとさつ現場を見せて子供に肉を食べるかどうか判断させる…」といったような文面があったのですがそりゃー脅しと大して変わらないんでないのかなあ?と思いました。ちなみに私の友達はもとヒッピーで菜食主義者が2人いますが子供に菜食主義を強制したことを後悔しています。菜食主義って(子供は動物が殺されるのを見てかわいそうとかそういう風に始まりますが)大人の菜食主義ってもっと「心の問題」から始まっているように感じるのですがどうでしょうか?詳しく説明したのですがここでは文字数が足りないでしょうからぜひメールにお返事をください。あ、ちなみに私もクリスチャンです。(ちょっとなんちゃってクリスチャンがはいってます。笑) これに対して私は、送信者のちょっと横柄な口調に違和感を覚えながらも、詳しく説明したいというので、12時間以内に以下のような返信を送った。 ○○ 様 初めまして。「動物のお医者さんが見てきたこと」のサイト管理人fussyvetです。私の稚拙なホームページを読んでくださってありがとうございました。 さて、子供にと殺現場を見せて肉を食べるかどうかを判断させる云々の話ですが、今一度ホームページの文章を読んでいただけたらと思いますが、私は子供に菜食を強制させることを推奨したのではありません。最近、日本では食育という言葉がよく聞かれるようになりましたが、食事というものを通して心を養おうという意味があります。野菜でも魚でも肉でもそうですが、ただ食卓に並べられたものを機械的に食べていると、それがどうやって自分の口に入ってくるかわからなくなります。野菜などは、小学校でも栽培実習がありますし、魚介類は漁をする映像がニュースでも見られますが、肉だけはのんびりとした畜産風景などは見られても”と殺”風景を見る機会はありません。ホームページにも書きましたが、動物は好きでも、ただ並べられた肉の塊に関しては何の情もなく食べる、そのことがとても矛盾したもののように思えてなりません。ですから、機会があれば、肉に付いてもどういう工程で肉ができるのか、知ることは有意義ではないかと思っています。もちろん、親にも見せる見せないの選択肢がありますから、それはその人次第です。 菜食は宗教なども絡んできたり、「心の問題」でありますし、環境問題でもありますし、エネルギー消費の問題でもありますし、ライフスタイルの選択の問題でもあります。食べるだけで精一杯のとき、そんなことは考えていられません。が、先進国に住み、漠然と消費生活を送ると思わぬ犠牲が陰にあることを忘れがちです。フェアトレードという考え方もそうですが、恵まれた環境にいるのであれば、その陰にある問題も考えて消費生活を送ることは有効ではないかと考えます。同時に、それらの実践は強制されるものではなく、”気付き”によるべきだろうと思います。そんなことを考えつつ、自分の経験をもとにホームページを作りました。子供を脅せという意図はありません。 fussyvet 今の私は余裕がない。私に限らず、初対面の赤の他人は皆忙しいものだろう。忙しいけれど、返信を必要とする人にはせっせと返信を書く。「遅れていても、相手に何か不幸があったのかも知れないし…。」と思いなおそうとするが、時間が経つにつれ、忙しい中、メールを打つのに費やした時間がもったいなく、自分が滑稽に思える。この時間をクリック募金に使えばよかった。募金先のメモを持って、郵便局へ行けばよかった。更に悪いことに、私はこのメールの主のように初対面の人間に対する口の聞き方も知らず、返信まで要求してきたにも関わらず、その後こちらに対しては一切の連絡もない若者(若くなければ、ただの○○だ)に対する寛容さを持ち合わせる余分なエネルギーが全くない。 これまでも、「獣医になりたいが…。」と進路に悩む若者などからしばしばメールをもらい、それに対して私なりに一所懸命に答えてきたけれど、時には「なんじゃこりゃ?」と思わずにいられない場合があり、その度にどっと疲れてきました。私一人の生活であれば、そんな疲労感は屁でもないのですが、今は手のかかる盛りのわんぱく坊主を抱え、高齢出産ママの体力は限界に達しています。ちょっと「冗談じゃない!」状況ですので、メールへの返信を個人にすることは一時中止とします。「返信しなくては。」と思った場合は、個人への返信ではなくブログでさせていただきますので、よろしくお願いします。
by fussyvet
| 2007-07-24 12:57
| 動物
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