保健所による処分は殺処分だけをいうのではないという画期的な判断 3

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○松野(頼)委員 もう一つ、昨年から指摘をさせていただいているのは、これは自治事務でありますので、いつも環境省の事務方に聞くと、いや、自治体さんの判断で、自治体さんの判断でというふうに言うんです。

 今九十九、都道府県及び政令指定都市並びに中核都市、また保健所が設置されている自治体、この九十九の事業をしている自治体の運用が全くばらばらなんですね。これは去年も指摘をさせていただきました。二日間の公示の後に三日目に殺処分をしている自治体、それとも、逆に、十日なり二週間なり、要はえさ代がかかるものですから、あと保護するスペース、広さが関係あるものですから、無尽蔵にとはいかないんですけれども、ここでなるべく少しでも長い間保護していれば、生存の機会は少しでも上がっていくんです、もちろん、この限られた資源とその期間をいかに延ばすかというところのせめぎ合いだと思うんですけれども。

 そういう中で、保護する期間をやはりできるだけ長くとっていただくということが殺処分数を減らす大きなポイントになりますので、ぜひ、その周知徹底ということを各自治体にしていただきたい、このことも、厚生労働、環境、両省から一言ずつ答弁をいただければと思います。

○菅原大臣政務官 きょうの御議論の趣旨を踏まえてしっかり考えてまいりたいと思います。

 現在、法で定めております公示期間の延長につきましては、抑留施設における飼育管理にかかわる自治体における負担が大変増加することも考えられますので、よく今の御議論の趣旨は踏まえて認識はいたしたいところでございますが、なかなか現実問題難しいということもございまして、この鑑札の装着義務の遵守等を徹底させることで所有者への返還率を高める、このことについて努力をしていきたい、こんなふうに考えております。

○若林国務大臣 委員がおっしゃいますように、これは自治事務でございますので、国がこれを強制するような形のものはできませんが、動物愛護法を所管する役所として、そういう立場において、このような趣旨で運用してもらいたいということを、各関係の自治体の方に考え方を示すということはできると思いますので、この趣旨といたしまして、生存の機会を与えるように努めなきゃいけないんだということが、今言われたような、二日で、三日で処分をするということが適当であるとは、機械的にそのようにするのが適当であるとは言えないわけですから、そういう趣旨を体して努力をしてもらいたいという指導はしなきゃいけない、こう思っております。

○松野(頼)委員 そうすると、今度は抑留の施設の問題があるんですね。今、九十九の抑留の施設というのは、ほとんど狂犬病予防法のもとに設置をされた施設だというふうに理解をしているんです。

 何でこんなことを言い出すかというと、施設の性格によって、処分をするための施設なのか、一時保護をするための施設なのか、保護をして譲渡、譲り渡しを主たる目的として設置をされた施設なのかというところが大きく変わってくるんです。

 例えばアメリカなんかですと、シェルターというのがあるんです。それは一時保護をして譲り渡しを主な目的とした施設だというふうに私は理解をしているんですが、どうか日本の施設も、例えば狂犬病予防法、九十九の自治体が行っている収容施設の中には、とても譲り渡しを目的としたり譲渡を目的としたり生存をさせることを目的とした施設ではない施設がたくさんあります。そこのところも、やはり二つの法律が今までかかっていた名残ではないかというふうに思うんです。

 これは、資料の六を見ていただければ、狂犬病予防法二十一条、抑留した犬を収容するために施設、抑留所を設け、予防員にこれを管理させねばならないということ、これが狂犬病予防法における施設の考え方です。その下、動物愛護法のもとの施設は、「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置」、この第三、保管、返還、譲り渡し、そこに線が引いてある、その健康及び安全の保持を図る観点から、構造等が適切な施設及び方法によって保管をすると。ですから、狂犬病予防法では施設の定義というのは全くないんです、抑留をするだけのもの。しかし、動物愛護法のもとにおいては、健康及び安全の保持を図る観点というのが施設の定義に入っているわけです。これもぜひ整理をしていただきたいと思うんですけれども、その辺、大臣いかがでしょうか。

 もう一点、きのう環境省に聞きましたらば、この施設整備に関して補助金を出した記憶は六十年以降はないということでありますけれども、その下、第二条、国庫補助もつけられるんです。環境大臣が定める基準に基づいて算定した額の二分の一の額について行えるんですね、この収容施設、殺処分施設、焼却施設に関して。

 ですから、これも、やはり三十九万匹の殺処分を減らすという観点であれば、譲り渡しを目的とした保護施設を国庫補助もつけていただいて、やる気のある自治体に関しては増設をしていただきたいというふうに思うんですが、御答弁いただけますでしょうか。

○若林国務大臣 御指摘の第一の課題につきましては、厚生労働省と十分協議をいたしまして、調整をした上で、適切な指導をしていきたいと思います。

 二番目の補助の点でございます。

 委員御指摘のように、昭和五十年から十年間、施設整備について補助をしたということがございます。年間で、その年によって違いますが、三千五百万円から八千三百万円ぐらいの年があるんですが、これは、財政事情が厳しくなってきた中で、行財政改革の一環として整理合理化の対象ということになりまして、昭和五十九年度限りで打ち切られてそのままになっているというのが現状でございます。

 これを再開するということにつきましては、先ほど委員がおっしゃられましたように、基本的にはこれが自治事務であるということでございますので、国がそういう形で補助をするということが大変難しいということがございます。できないわけではありません。それは、法律で補助することができる、こう書いてありますから、補助することはできるんですけれども、財政当局との折衝の中でいいますと、基本的な自治事務について補助はできるけれども、自治事務なんだからやはり自治体の自治の責任においてやってもらいたい、こういうことになりがちでありますのと、一方で、地方分権をどんどん進めているということで、こういう国の補助制度というものはできるだけ整理していくんだという方針は基本的な方針としてございます。そういう中で、財政事情も厳しいということでございますので、今せっかくの委員のお話でございますが、この補助の復活は、私は困難だというふうに残念ながら申し上げなければならないと思っております。

○松野(頼)委員 ちょっと今の答弁は、この動物愛護法を所管して、三十九万匹の犬や猫の殺処分を減らしたいという大方針を掲げている大臣の答弁とはとても思えないんです。大臣、これはやる気の問題なんですよ、やる気の。全国のこういう施設においても殺処分率が全く違うんです。九〇パー以上を殺処分している自治体と一けたの殺処分しかしていない自治体と、同じ法律、同じ運用の中で、こんなに数字が違ってくるというのは、やはり現場の方のやる気の問題なんです。

 たまたま、昨年も申し上げたように、私の地元の熊本市の自治体、全国でトップレベルの返還率を誇っておりまして、先週また行ってまいりました。十八年度の数字は、何と殺処分率八・数%、生存率七四%。その差はどうしても病気だったりとか家庭用動物になじまないと判断した部分なんですけれども、それでも殺処分率が一けたなんですよ。その自治体と九〇%近く殺処分している自治体と、やはりやる気の問題なんです。

 そこの職員の人に話を聞くと、もう目を輝かせて、一匹でも助けるんですと言ってやっている。ぜひその姿勢を国の方の動物愛護を所管する環境省に持っていただきたいというふうに思うんですが、ぜひそこをもう一回、大臣、御答弁いただけないでしょうか。

○若林国務大臣 まさに委員がおっしゃるように、そのような意識でやる気を起こすということが基本的にインセンティブだと思います。我が環境省の、これを所管しております職員は大変やる気を持って取り組んでおりますし、自治体に対してもそのような気持ちを伝えております。

 問題は、先ほどの補助との関係でいえば、補助しなければやれないんだといったような意識の改革というものをやはり環境省はもっと積極的に各自治体に働きかけて認識をしてもらうように、今、熊本の例がございました、そういう例のお話をしながら、そういう意識の変革を自治体の方に強く求めてまいりたいと思いますし、さらに言えば、それぞれの地域で動物愛護団体というのがございます。その動物愛護の諸団体との連携を密にして、法律にもございますけれども、協議会を積極的に活用するとか、そういうことを通じ、また、これに協力してくれる推進員を協議会とよく相談して決めていく、そういう民間を含めた体制づくりの中でやる気を起こしてもらっていくということが大事だと私は思っております。

○松野(頼)委員 では、大臣、伺いますが、この施設だけに限らず、ことしの動物愛護関連の予算要求は幾らですか。

○若林国務大臣 約九千万円と承知しております。

○松野(頼)委員 あれっ、きのうちょっと事務方に伺った数字とは違いますけれども、その九千万円は何にお使いになっているんですか。

○若林国務大臣 突然のお話でございますので、ここで詳細を御説明できませんが、また事務方の方から説明をさせます。

○松野(頼)委員 きのうの夜伺ったときには、予算計上はゼロだというふうに言って、私も突然のお話なんですけれども、まあいいや、それは。

 いずれにしても、この細かい話を聞くあれはないんですが、少なくとも予算計上をまずしっかりして、本気でこの殺処分数に取り組むという姿勢が私は必要ではないかというふうに思っております。

 それと今、大臣、くしくも協議会のお話をいただきました。資料八をごらんください。全国の九十九の中で、協議会が立ち上がっている自治体はまだ三十なんです、三十。その後をごらんください。資料の十二。インターネットの広報も、つないでいるところはまだ十三なんです、十三。本当にこれでやる気があると言い切れるんでしょうか。

 これからスタートだというふうにおっしゃいますけれども、どうも自治体任せのところが私は多いと思いますし、本当の意味で殺処分数を減らしていくという、この基本指針に大臣が書かれたこと、大臣が、環境省のこの考え方に関して、やはりもう少しやる気を出していただいてもいいんじゃないでしょうかということを、ぜひここは申し上げておきます。もし異論があれば御答弁ください。

○若林国務大臣 異論はございません。

 これまた告示を決めてから一年有余でございます。やる気を起こしてこういうような告示を決め、一年経過したわけであります。まだそれが十分徹底していないということについては御指摘のとおりでありますので、さらに一層強力に推進してまいりたい、このように思います。

○松野(頼)委員 一個御提案を事務方にさせていただいているんですが、きょうは農林から来ていただいています。最後に、ちょっと提案をさせていただきたいと思うんです。

 ペットフードを所管するのは農林省だというふうに伺っていますけれども、とにかく自治体の施設において、えさがあれば一日でも長く生かしておけるんですと。先週行った、うちの地元の自治体でも、ことしはいろいろなことがテレビで報道されたおかげでペットフードをたくさん寄附していただいた、だから、おかげでことしは、その八・数%という数字が出たおかげは、これは本当に皆さんの御協力のおかげで、いろいろなところからペットフードの寄附をいただいたので、二週間、三週間とことしは生かしておくことができたので、譲渡する機会がふえたんですと。その結果の数字が、殺処分率一けたという大変脅威的な数字なんです。

 そこで、もちろん犬を嫌いな方もたくさんいらっしゃるでしょうから、税金をそういうものに投入するというのはなかなかいかがなものかというふうに私も思います。

 それで、例えばペットフードの中に、ではこれは環境大臣感謝商品だとか農林大臣感謝商品だとかということで、その収益金の一部が、こういう処分をされてしまう犬に譲渡の機会を少しでも多く与えるために、その売上金の一部が、例えばそういうえさ代に回るんですよみたいなシールなりマークなりをつけることによって、もしかしたら業界が自主的にそういう基金を集めて、またペットを飼っている買い主の皆さんが、どうせ買うならば自分はそういうところに回る商品を買って、寄附をしようというようなフレームがつくれないかということで環境省にもお話をさせていただいたんですが、農林省の立場としてはいかがでしょうか。

○永岡大臣政務官 松野先生にお答えいたします。

 動物愛護の観点から申し上げますと、殺処分となりますペットの数を減らすということは、本当に重要であると思っております。

 この場合、仮に引き取り手を探すための間のえさ代の負担ということになると思うんですけれども、その負担のあり方につきましては、殺処分の対象となりますペットの発生原因などを考えますと、幅の広い観点から検討すべきであると考えております。

 なお、現時点におきましては、農林水産省といたしましては、ペットフード業界にのみ負担をさせることは適切でないと考えておりますので、御了承をお願いいたします。

○松野(頼)委員 どうもありがとうございました。

 きょうは、この質疑の中で、狂犬病予防法の処分が殺処分だけではないという大変有意義な答弁もいただきました。こうやって厳しいことを指摘させていただくことが、一匹でも犬や猫が助かることだというふうに思っていろいろなことを言わせていただいておりますので、どうかそこのところはお許しをいただければありがたいと思います。

 どうも、時間をいただきまして、ありがとうございました。

----------------------------------当該答弁ココまで
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by fussyvet | 2007-04-25 11:00 | 動物
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