狂犬病予防接種について、スパムが来た

 どうしてだか分からないが、以下のようなメールが来ました。最初に申し上げておきますが、動物関係の話題でなくても同じだと思いますが、このように自分の価値判断を広めるために、見ず知らずの人あるいは見ず知らずでなくてもいきなり送りつけてくるのは、不躾でとても不愉快です。金輪際止めてもらいたい。

以下、当該メールの内容---
 年度が替わって、4月から狂犬病予防月間となりました。
 多くの愛犬家は狂犬病の予防注射を打つのを当然と考えているようですが、ここでちょっと考えてみてください。狂犬病ワクチンは安全なのでしょうか?
 狂犬病ワクチンを打ったために病気になった犬の話をよく聞きます。
 逆に、ワクチンを打たない犬が10年以上病気一つせず、健康に生きている事もあります。
 私の愛犬(ポメラニアン・2歳)も1度もワクチンは打っていませんが元気です。
 また、狂犬病ワクチンは獣医師会の利権のために実施されています。そのための狂犬病予防月間です。
↓このHPを見れば、狂犬病ワクチンがいかに危険でインチキなものか、よく理解できます。
http://×××
 愛犬家の皆さん、狂犬病ワクチンの危険性を良く理解して、今年から絶対打たないようにしてください
---メール ここまで

 それで、どんなに素晴らしい知見が教えられたHPとやらに記載されているのかと心躍らせて覗いてみたら、出てくる出てくる。獣医師への誹謗中傷。さらにはそこへコメントした人に対してもよくもここまで言えるものだなというくらいに、自分の価値判断だけで非科学的な論証でもって美しくない言葉を投げつけている。
 狂犬病ワクチンでなくても、全く副作用を起こさないワクチンはありません。息子にワクチンを接種しにいくときは、必ずそのワクチンの副作用内容と確率を初め、詳しく調べ、ワクチンを接種しなかった場合に起こるリスクも考えて接種しています。息子は集団保育生活に入るので百日咳、水痘、破傷風、インフルエンザ、耳下腺炎など感染して発症した場合、更には後遺症が残った場合のリスクと天秤に掛けて、その結果、接種した方が良いと思い、これらの感染症については全てのワクチンを接種するつもりである。私は小動物臨床で就職したことがないので分からないが、イヌへの狂犬病予防接種で問題があるとすれば、人間の予防接種のように問診票や各予防接種の説明がない場合であろうと思う。
 「ワクチンを打たない犬が10年以上病気一つせず、健康に生きている事もあります。私の愛犬(ポメラニアン・2歳)も1度もワクチンは打っていませんが元気です。」とあるが、フィラリア予防薬を服用しなかったために、心臓に虫が寄生し、腹水が溜まって、最後は呼吸困難で死んでしまったイヌの何と多いことか。フィラリアに限ったことではないが、この飼い主の2歳のポメラニアンが全く蚊に刺されない保障もなかろう。可愛そうに、飼い主の偏った個人的主義のために感染症になってしまわないことを祈るばかりだ。
 次に、狂犬病予防接種と獣医師会の利権についてだが、確かにこれ目当てにしている獣医師もいる。が、”獣医師会”会員全てではない。私は獣医師会に現在は入っていないけれど、客観的に聞いていてもこの言い様は非常に不愉快だ。最後の結びの一文も書くなら、「愛犬家の皆さん、狂犬病ワクチンの危険性を良く理解して、今年から絶対打たないようにしてください。」ではなく、「狂犬病ワクチンの危険性を良く理解してから接種するようにして下さい。」だ。「今年から絶対打たないようにしてください。」など、自分の信条を一方的に押し付けるなど、無責任にもほどがある。もしも、狂犬病が動物検疫をかいくぐって日本で発生した場合、そしてそのイヌが他のイヌを咬み、咬まれたイヌも狂犬病予防接種をしていなかったがために狂犬病を発症してお隣さんの小さな子供を咬んでしまった場合、誰が責任を取るのか?この「今年から絶対打たないようにしてください。」と言い放った主ではないだろう。この無責任な言葉の主が吹聴した言葉を真に受けて狂犬病予防接種をしなかったイヌの飼い主だろう。
 問題はイヌを飼育することのリスクをどこまで理解し、自分自身でどこまで責任を取れるかにかかってくる。少なくとも、この国に「狂犬病予防法」という法律があり、そこでイヌの飼い主に年一回の狂犬病予防接種を義務づけている。それなのに「打たないでください。」などと言い放つのは違法行為の教唆である。法治国家ですべきことではない。やるなら、法律改正を働きかけることだ。

 最後に私はイヌを飼っていないので、愛犬家ではない。今後、飼う予定もないが、万が一飼うにしても法律で義務付けられている狂犬病予防接種はするし、他のワクチンも接種する。それが本当の愛犬家のマナーだと思っている。自分自身の愛犬に対しても、他人に対してもだ。

※予防接種は健康状態によりできない場合があります。やむを得ない場合まで非難する記事ではありません。
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by fussyvet | 2007-04-04 10:11 | 動物
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