かつての夢とだぶって、まぶしくて、愚かな・・・

「何でも治すスーパー獣医」
 テレビの特集でやっていた。かって自分自身が目指した姿とだぶる。
「あの時、お金があれば。何の迷いもなく、院に残っていれば。」
思っても仕方がないifを思う。道を見失った私はとにかく就職しなければ、と故郷の公務員になった。”まさか”の仕事であった。保健所勤務になろうとは全く想像していなかった。イヌ・ネコの引取りをすることになるとは…。大学で一所懸命に身に着けてきたことは、一切が水の泡になった。
「こんな仕事!」
無責任に、平気な顔で、当然のようにイヌ・ネコを持ってくる人間たちに体よく使われて人生を終わるのか。何のために獣医になったんだろう?何のために勉強してきたんだろう?譲渡される動物はほんの一握り。馬鹿馬鹿しく、無力だった。

 子供の頃、テレビ画面の中の獣医師のように、私は「どんな病気でも治す世界一の獣医師」になることが夢だった。

 それがどうした。今の私にはかわいい息子ができ、愛に溢れた生活を送っているではないか?治すために多くの治療費を費やされる動物もいれば、ただで殺される動物がいるではないか?私はそれらの動物のために、自分が経験したことを語り、力になっていく、そういう獣医として生きる、それが務めじゃないか?実験に使われる動物たちの苦痛と数を少しでも減らしてやる、そういう獣医にならんとしているのではないか?

 幸せな動物たちのための成功した獣医師の姿は、時に単純に私の目をくらます。相変わらず、愚か者の私である。
[PR]
by fussyvet | 2006-06-30 22:47 | 動物
<< この問題、あちこちに根強くある 子供虐待の心理が少し分かってきた >>