魔のサイクル

 もう、本当に胸が痛くて苦しくなるような事件ばかりで、こんな負のセンサーばかり作動し続けていたら、私の心はもたなくて、あっという間に燃え尽きてしまうだろうと思うのだけれど、また一つ悲惨な事件が起きた。乳児を車の中にほったらかしにしてパチンコに興じていた若い夫婦の事件でもなければ、幼い子供が罪もないのに殺された事件でもない。勿論、これらの事件も胸が痛くて苦しくなった事件には違いないのだけれど、最も最近私の心を傷めて巣食っているのは、成人した息子に両親が殺され、自分も自殺したかも知れないというニュース。こんな悲しい話あるだろうか?高名な父親、立派な父親の下、自分も頑張ったけれど、何かが違っていて、いつまでたっても満たされないどころか、どんどん絶望の淵に追いやられてしまった私と同年代の息子。自分自身も同じような精神状態に陥ったことがあるし、身内や知り合いにもそんな状況の人間がいるので、本当に他人事とは思えない。そして、私の、まだ赤ん坊である息子も、いつかそんな絶望の淵に追いやられてしまうのではないか、そして、その時、私は母親として彼の絶望の重さに耐え切れないのではないか、そして、最後には私も「どうしてこんな風にした。」と息子に殺されてしまうのではないか、、、そんな嫌な想像ばかりしてしまう。そんな空想ばかりしているうちに、つくづく
「私はとんでもない責任を負ってしまった。」
と気付かされる。子供一人、育てる義務を負ったこと、今までにこれほど重い仕事があっただろうか?この仕事は一生私について回るのだ。こんな私が、こんな重い仕事を担ってしまって、よかったのだろうか?今更しても仕方が無い自問自答が頭に浮かぶ時が多々ある。
 誰しも犯罪者にしたくて子供を育てるわけないし、ましてや将来子供に殺されることを想像して子供を育てるわけもない。皆、一所懸命、子供との夢を持ちながら、そして時には悶々としながら子供と向かい合っている。自分が背負ったタスクの重さに押しつぶされそうになり、逃げたくなり、イライラしてどうしようもない”サイクル”に入ってしまうことがあるだろう。今の私だってそうだ。夕方になると黄昏泣きで、わけもなく泣き続け、ひたすら抱きしめて気を静めてやらないといけないもうすぐ5ヶ月になる息子。まだ、言葉をかけても分からない。ひたすら態度で示してやるしかない。息子の態度を読み取るしかない。それなのに、示しても分からない、読み取ろうとしても読み取れない、どう回復していいのかわからないそのようなサイクルに入ってしまった時間は、魔の時である。

 いかんいかん。悪いニュースは悪い暗示に結びつく。そんなニュース画面は消して、息子と一緒に散歩に出よう。
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by fussyvet | 2006-05-31 13:22 | 家族
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