農家と家畜保健衛生所との関係

(ある養鶏場)の獣医師2人逮捕 茨城の鳥インフル問題 [ 02月27日 13時46分 ] 共同通信

 鳥インフルエンザ問題で、茨城県警は27日、鶏の抗体陽性反応を県に届け出なかったなどとして、家畜伝染病予防法違反(届け出義務違反、検査妨害)の容疑で、養鶏会社○○○(横浜市)の獣医師2人を逮捕した。さらに数人を取り調べており、容疑が固まり次第、同日中に逮捕する方針。
 県警の調べや茨城県によると、○○○の獣医師は昨年8月下旬、運営する茨城県内の3養鶏場の検査で、別の養鶏場の鶏から採った検体を3養鶏場の検体と偽って提出し、県の検査を妨害した疑いがある。県の調査では、同社の別の2養鶏場でも検査妨害があったことが判明している。
 ○○○の獣医師は昨年、知人の独立行政法人「動物衛生研究所(動衛研、同県つくば市)職員の獣医師に非公式に鳥インフルエンザの検査を依頼し、抗体陽性反応が出たが県に届け出なかった疑いも持たれている。


 このニュースでは県が全く感知していなくて、寧ろ「検査妨害」などと容疑者を一方的に悪者にしているけれど、真実はどうかなと疑ってしまう。それから、動物衛生検査所についても何も触れられていないけれど、鳥インフルエンザの検査を実際にしたのはこの動物衛生検査所で、結果を見たのも同じ。一般の人が見たら、「どうして検査した方が届け出ないの?」と疑問に思うのが普通じゃないかと思う。この辺り、とても曖昧。
 だいたい、畜産農家と管轄の家畜保健衛生所との関係は、持ちつ持たれつでとても濃密。更に獣医師同士は、同県の獣医師会で顔見知りになるから・・・。
 家畜保健衛生所は誰のためにあるのか分からないような機関。本来なら畜産の振興と病気の蔓延予防のため、国民全体のためにあることが建前。でも、その実は農家のためオンリーであって、農家もそれを当然だと思っている。以前、私が勤務していた時、ある養鶏場から定期的にある最近の検査のために持ち込まれる検体を検査していた。めったにその最近は検出されないのだけれど、ある時、持ち込まれた検体全てから検出されたため、依頼主であるその養鶏場に結果を伝えた。すると、驚くようなことが起こった。その養鶏場に鶏を卸している別の養鶏場が電話で怒鳴り込んできたのだ。
「そんな結果、どうして出したのだ!?もっと、考えろ!」
というものだった。「この人、何を言ってるのだろう?私にもみ消せとか、内緒にして結果を出すなとか言ってるのか?」と呆れてしまった。周囲に相談してみたが、依頼された検体の結果を出さずにはいられないことは共通の意見で当然のことである。が、その怒鳴り込み養鶏場にしてみれば、守ってくれるはずの家畜保健衛生所(因みにその怒鳴り込み養鶏場は管轄外)が守ってくれなかったというところだったわけだ。
 私はね、仕事を全うしたかったの。あなただけの僕じゃなくて、公僕だったんです(過去形)。そんな当たり前のこと、通じないのが、農林水産分野であり、利権に群がる輩が蔓延ってしまう大きな理由です。もちろん、真摯にこつこつやっている農家、獣医師も大勢要るのですが。昔と違って、今や、もたれあい、もみ消し、隠蔽などすれば、このニュースのように逮捕されてしまうのだということを我々獣医師は肝に銘じておかなければならない。
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by fussyvet | 2006-02-27 16:30 | 動物
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