第5回国際動物実験代替法会議

 2005年8月21日から25日まで、5th World Congress on Alternatives & Animal Use in the Life Sciencesがベルリンで開催される。日本語では日本実験動物代替法学会によると「第5回国際動物実験代替法会議」といったところである。この会議のスポンサーおよび支持団体一覧はここに掲載されているが、日本からは支持団体として上記の日本動物実験代替法学会(Japanese Society of Alternatives to Animal Experiments: 下から2番目)以外に、民間企業からはスポンサーとして資生堂が含まれている。当該企業は、2002年から日本でも始まった動物実験反対のデモで署名を手渡されたこともあり、化粧品の最大手ということで常にやり玉に挙げられてきた。その企業が代替法学会の国際会議のスポンサーとなっていることをどう捉えるか?単なるパフォーマンスと考えるのか、前向きに動物実験代替法の開発に取り組んでいると考えるのか。いろいろ捉え方はあるだろうが、私はどちらでも構わないと思う。金がなければ研究もできぬ、会議も持てぬ。
 「動物実験代替法学会」と聞いて、多くの人は全く動物を犠牲にしない実験方法を研究しているのだと考えるのではないか。しかし、実際はそうではない。国際会議のプログラムを見ればわかるが、動物を用いない研究はごく一部である。残りは生きた動物は用いないにしても、その細胞を用いたり(そのためには当然動物は安楽死処分となる)、有精卵を用いたりする実験であったり、実験方法の開発だけでなく、実験動物の苦痛の軽減のための実験(そのため、やはり生きた動物を用いる)であったりする。また、動物からの材料を用いない、完全な“置き換え実験”の開発のためには、その実験がこれまでの生きた動物を用いる実験と同等の信頼性があることを証明するために、動物実験を行ったりもする。動物実験の完全なる“置き換え”のためには、まだまだ時間、金、労力がかかるのだ。全ての国民が「もうこれ以上の医学研究も新薬も要りません。」と言えば別だが、残念ながら、今すぐ動物実験を全廃することはできないのが現実である。海外では研究者の車や研究所自体に爆弾を仕掛けるようなテロリストもいる。彼らは物理的に破壊することで動物実験を止めさせようとしているのだが、人の命を犠牲にするようなやり方では本末転倒であるし、何もいい結果を生み出すことはない。
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by fussyvet | 2005-08-02 16:17 | 動物
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