苦悩

 獣医学生になるまでの私。
「全ては獣医になるため。まずは希望のところへ入らなければ、私の人生はもう意味がないものになってしまう。とにかく勉強するのだ。」

 獣医学生になって初めての解剖学実習にて。
 それまで世話をしてきたウシを実習にて放血殺する。
「泣いてはいけない。泣いてはいけない。…」

 生理学実習、薬理学実習で子犬、マウス、成犬、モルモット等殺しまくる。
「とにかく獣医師になるためには仕方がないことなんだ。皆、やっている。自分だけ逃げてはいけない。」

 外科学実習。それまで面倒を見ていた保健所からの払い下げの子犬たちの足を骨ノコで切断し骨折整復術、眼球をえぐり出して眼球摘出術等習う。
「ちょっと待って。これから獣医師になってから助ける動物の命とこれらの動物の命の重さにどういった違いがあるのか?なぜ、どうして?」

 保健所勤務。イヌ・ネコの引き取り。
「私はこんなことをするために必死で勉強し、実習では必要だからと信じて動物を殺してきたのか?なんだったんだ?なぜ、どうして?何かが違う。」


 国内の獣医学生が自殺したと聞いた。私のように悩んでいなかったなら良いのだけれど。そう思いながら、これまでのことを思い出した。
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by fussyvet | 2005-01-18 19:14 | 動物
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