消費者の選択、消費者運動、そして間接的脅迫について

 11月10日日本経済新聞の夕刊に化粧品開発で行われる動物実験の代替法についての記事が載ったことを知った。国や企業が、動物実験の全廃は難しいが、化粧品開発における動物実験については化粧品メーカーや国が連携して代替法の開発に努力していくというもの。欧州に比べてこの分野での日本の取り組みは遅れているとも書かれてあった。日本でも化粧品の動物実験反対のデモなどが行われるほど運動が大きくなったことは、企業にとって危機感を持つ大きな要因であるだろう。その意味で化粧品開発で行われる動物実験の反対運動は功を奏したし、私も消費者がそう言った声を上げることは意味のあることだと思う。
 が、ただ一点気になったこと。そのデモの様子を写した写真を見たら、「あなたは陰で動物虐待を支えていませんか?」という未だに知らない消費者へも呼びかけるプラカードを見付けた。虐待を辞書で引くと、「むごい取り扱いをすること」とある。確かにむごい動物実験もあるだろう。それを今すぐ止めさせたいなら、多くの人が「これ以上、化粧品の新製品は要らないし、買わない。」という姿勢を見せることだ。
 さて、動物実験が行われるのは化粧品だけではない。洗剤など人間に触れる可能性のある日用品開発でも行われているし、医薬品の開発や医学・医療技術の発達のためにも行われている。日用品についても、「もうこれ以上、洗剤の新製品は要らないし、新製品を買わない。」という消費者が増えれば、それらの開発に行われる動物実験はなくなっていくだろう。では、医薬品や医療技術はどうだろうか?これらの動物実験を廃止させるために、「あなたは陰で動物虐待を支えていませんか?」というプラカードも掲げられるのだろうか?もし、そうすれば、生きていく上で通院や薬の服用を止められない人、あるいは不治の病で一刻も早く新しい治療法の発見を望む人は罪悪感を持ってしまうのではないか?
 運動するにも言葉というものを選ぶべきだろうと思う。動物実験=動物虐待という文句、私なら絶対に使わない。
[PR]
by fussyvet | 2004-11-16 07:19 | 動物
<< 鯨肉 映画「血と骨」 >>