ベルマーク運動

 子供の頃、ベルマーク運動というものを知った。
 ベルマークというマークが付いている商品のパッケージのその部分を切り取って集めて送れば、何かいいことをすることになるらしいと子供の私は思った。
 正義感の強かった私はベルマークを集め始めた。注意してみるといろいろな物にベルマークは付いている。家族にも集めるように頼んだ。私は集めることに夢中になり、捕らわれた。
 妹が、ベルマークが付いているにも拘わらず捨ててしまったものをゴミ箱の中に見付けた。私は妹に対して激しく怒った。
「付いているのにどうして捨ててしまうんだ!」
 すると、母が怒った。
「そんな、家族の仲が悪くなってしまうのなら、集めるの止めてしまいなさい!」
 私は「はっ。」とした。

 母の言うとおりだ。世の中の不幸な人のためにと始めたことだったけれども、自分の周囲の人間を傷付けていては元も子もない。私はいつの間にか自分の「善」を守ることにだけ夢中になって本質的なことを忘れていた。人のための善行がいつの間にか自分の主義・主張・行動を守るための善行になっていた。そして、それが他の人間を傷付けるものになってしまったことを母は怒ったのだ。
 一部の社会運動は、同じようなことになっていはしないか?

 今でも忘れない。あの時、叱ってくれた母に心から感謝している。
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by fussyvet | 2004-11-11 06:32 | 動物
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