法律改正

動物愛護法:
改正に向け見直し作業 ペット売る人・飼う人、規制強化
 ペットの虐待や動物取扱業者を規制する動物愛護法(動愛法)の見直し作業が、環境省などで進んでいる。インターネットなどを利用したペットの通信販売トラブルが増えているため、これまで対象外だった「ネット仲介業者」が新たに規制対象となる見通しだ。自民党は議員立法による改正を目指しており、同省の検討結果も踏まえ、罰則や飼い主の責任強化なども盛り込んだ改正案を来春にも国会に提出する。【河内敏康】

 ★ネット仲介業者も対象に

 富山県の女性は今年7月、インターネットでペット販売を仲介していた業者からビーグル犬を約20万円で購入した。ところが犬は、購入直後からふらつき始めた。獣医に診てもらったところ、脳に病気がある可能性の高いことが判明した。

 女性は仲介業者に抗議したが、「そんなものは売るはずがない」と反論された。購入代金の返還や治療費の支払いにも応じてもらえないという。

 最近、このようなトラブルが増えている。国民生活センターに寄せられたペットの通信販売に関する苦情は、94年は約30件だったが、03年は約200件に増えた。動物の体重を偽られた▽輸送中のストレスで弱っていた--などの内容が多い。

 動愛法の規制対象は、飼育や保管施設を持つペットショップや繁殖業者だ。こうした施設を持たないネット仲介業者は対象外で、野放しになっている。ペットトラブルの相談にあたっている千葉県習志野市の行政書士、福本健一さんは「インターネットを使った通信販売の場合、実物を見ず、写真だけで購入するためトラブルに発展するケースが多い」と指摘する。

 検討会を設置して、法の見直し作業に取り組んでいる環境省は、ネット仲介業者に加え、ペットの輸送業者や美容業者も動愛法の規制対象にすることを検討中だ。

 ★規制業者の罰則も見直し

 動愛法の規制対象となっているペットショップや繁殖業者についても、都道府県からは「実効がなかなか上がらない」などの声が出ている。

 これらの業者は都道府県知事への届け出が義務付けられている。知事は施設を立ち入り検査し、法に基づく施設基準を満たしていない業者には改善を勧告、命令できる。

 だが、命令に違反して動物を劣悪な飼育環境に置いても30万円以下の罰金が科せられるだけだ。届け出制のため、営業停止処分にもできない。基準自体も「(動物が)動作を容易に行うための十分な広さが必要」などあいまいな記述が多く、厳格な指導が難しい。

 環境省のまとめでは、都道府県が口頭で業者に施設などの改善を指導したケースは年間約3000件。届け出のあった施設数の約1割に相当する数だが、勧告や命令に至ったケースは02年度で延べ5件しかなかった。

 環境省動物愛護管理室は「基準の明確化や罰則の強化を図りたい」と話す。環境省の検討会の委員も務める「動物との共生を考える連絡会」の青木貢一代表は「ペットショップには、動物に関する専門知識を持った担当者の配置を義務付け、営業停止処分も可能にすべきだ」と指摘する。

 ★ICチップで責任明確化

 動愛法は、ペットに名札を付けて飼い主を明示する▽一度飼ったペットは捨てたりしない--などペットの飼い主の責任も定めているが、意識の低い飼い主も多い。

 厚生労働省などのまとめでは、全国の保健所が02年度に引き取った犬や猫は約47万頭。約97%は飼い主などが見つからず殺処分された。内閣府の03年度の世論調査でも、ペットに名札を付けていると回答した飼い主は犬で33%、猫で18%しかいなかった。「明示する必要がない」と考える飼い主は犬では70%、猫では73%もいた。

 そこで、環境省や自民党が導入を検討しているのが、動物の皮下に集積回路(IC)を組み込んだマイクロチップを埋め込み、所有者や個体を識別する制度だ。

 マイクロチップは直径2ミリ、全長11~13ミリ。ICには15けたの数字が書き込まれている。読み取り機をかざしてこの数字を読み取り、飼い主や個体を特定する。チップ本体には電池が要らず、半永久的に使える。

 海外ではチップ埋め込みが進んでいる。環境省の調査では、犬に対する埋め込み率は豪州やドイツが30%以上、カナダや英国も10%を超える。

 日本でも、獣医師会や動物愛護団体などでつくる「動物ID普及推進会議」(東京都港区)が02年から、チップ埋め込みと15けたの番号登録サービスを始めた。費用は約6000円だが、まだ約4800件しか利用がない。チップの読み取り機を備えた自治体もまだ数カ所という。

 日本動物愛護協会の会田保彦事務局長は「チップを埋め込んでもペットには無害で、盗難防止にも役立つ。保健所に読み取り機を導入するなど、国や自治体は普及に取り組んでほしい」と語る。

 動愛法見直しを目指す自民党動物愛護小委員会の北村直人委員長は「ペットは人生の伴りょとしても欠かせない存在になってきている。それを粗末に扱うことは許されない。他党とも連携し、インターネットの普及などにも対応した改正案をまとめたい」と話す。

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 <動物愛護法改正のポイント>

◇インターネットを利用するペット販売仲介業などの規制

◇飼育・保管施設の基準強化

◇営業停止など対象業者の罰則強化

◇ペットの個体識別・登録制の導入

毎日新聞 2004年8月30日 東京朝刊


どこの法律に倣ったらこんな「穴だらけ法」になるのかと思っていた現行の「動物の愛護及び管理に関する法律」。
法律一つ改正するにはさまざまな山を越えなければならない。改正により規制が強化されると予想される業界団体は当然のように反発して、国の関係官公庁に圧力をかけてくる。日本の消費者団体の力は弱いように思う。政治や社会への国民の無関心を反映しているのだろう。消費者としての責任と自覚はとても思いものだと思う。自分が払ったお金がどこの誰に渡り、どのように使われるのか?考えたことがある人はどれくらいいるだろう?
動物を取り巻く状況についても同様。動物を金を払って買うという命の売買に抵抗感を感じる人が少ないことを以前から嘆いている。動物はナマモノだ。相性も当然ある。どうやってインターネットオークションでその相性を測るというのだろうか?そもそもそこから間違っているように思う。
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by fussyvet | 2004-09-11 23:53 | こうして社会は回ってる
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